□近視とは,平行光線が無調節状態の眼に入射したときに,網膜の前方に焦点を結ぶ眼の屈折異常である。
□眼軸長が過度に伸展しているか,角膜・水晶体の屈折力が強すぎるかの,いずれかが原因で生じる。前者は軸性近視,後者は屈折性近視と定義される。一般的な近視は軸性近視を指す。屈折性近視は,円錐角膜や調節痙攣などの疾患によって生じることが多い。
□文部科学省学校保健統計調査報告書によれば,学校健診における"裸眼視力1.0未満のもの"は年々増加し,それに占める近視・近視性乱視の割合は小学生で約46%,中学生で約73%,高校生で約91%である。
□近視には,単純近視と病的近視がある。病的近視は眼軸長の過度の伸展により,眼底後極部に変性をきたす近視である。
□病的近視は,一般に小児期から強度の近視である。若年期には単純近視同様,屈折矯正によって良好な視機能が得られるが,中高年期になると様々な眼合併症から視覚障害を起こす。
□厚生労働省研究班によれば,年齢が9歳以上で,眼軸長が26.5mm以上に伸展した場合,強度近視と定義される。屈折度に換算すると−8.0D(ジオプトリー)以下となる。
□遠いところはぼやけるが,近いところは見える。
□病的近視では,中高年期になると眼合併症の種類や程度に応じて,複視,歪視,矯正できない視力低下,視野欠損などの症状が出る。
□遠方の裸眼視力は低下するが,近方の裸眼視力は良好である。
□屈折度にあった凹レンズの眼鏡やコンタクトレンズを装用すると,良好な遠方視力を得ることができる。
□一般的に,近視眼では眼軸長が過度に伸展している。
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