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眼精疲労[私の治療]

No.5252 (2024年12月21日発行) P.51

山西竜太郎 (東京都済生会中央病院眼科)

内野美樹 (ケイシン五反田アイクリニック院長)

登録日: 2024-12-18

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  • 眼精疲労とは,眼を酷使し続けることにより,眼痛・眼のかすみ・まぶしさ・充血などの症状や,頭痛・肩こり・吐き気などの全身症状が出現し,休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態を言う。

    ▶診断のポイント

    眼精疲労は,主に調節性(屈折異常),筋性(斜位・斜視),症候性(眼疾患および身体疾患),神経性(慢性疲労や過労・ストレス)にわけられる。また,眼精疲労を引き起こす屈折異常は,多くは近視の過矯正もしくは遠視の低矯正である。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    【問診】

    スマートフォンやパソコンなどの使用の頻度や,どのくらいの距離が見えにくいのか,また,場面に応じた適切な眼鏡・コンタクトレンズ(CL)装用ができているか聴取する。遠視・乱視では,調節機能が低下した状態での長時間の近方作業は眼精疲労を悪化させる。近視では,眼鏡やCLの過矯正・レンズ中心の偏心によるプリズム作用が問題となる。加えて,不同視における不等像も眼精疲労の要因となる。

    【検査】

    屈折検査のほか,日常装用している眼鏡やCLでの遠見・近見視力測定を行う。眼精疲労が重度で,なおかつ屈折矯正が十分ではないと疑われる場合は,サイプレジン点眼液(シクロペントラート塩酸塩)による調節麻痺下での測定も検討する。急性内斜視の発症は,近年,若年者で増えているが,長時間至近距離でのスマートフォン使用が影響すると考えられている。眼位異常の検出や近見反応時の調節・瞳孔・輻輳の評価も必要に応じて行う。実用視力検査で,視力変動が大きい場合はドライアイや白内障,さらに眼瞼痙攣の可能性を考慮する。調節微動解析で高周波成分の調節微動頻度が高ければ,調節痙攣・調節緊張の可能性がある。

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