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中心性漿液性脈絡網膜症[私の治療]

No.5253 (2024年12月28日発行) P.51

石龍鉄樹 (福島県立医科大学医学部眼科学講座教授)

登録日: 2024-12-30

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  • 黄斑部に漿液性網膜剝離,網膜色素上皮剝離が生ずる疾患である。主訴は片眼性の視力低下で,変視,小視症と中心比較暗点である。中年以降の男性に多いが,女性にもみられ,その頻度は男性の約1/3と言われている。半年程度で自然治癒することが多いが,遷延化すると永続的な視力低下をきたし,中には滲出型加齢黄斑変性に移行する症例もある。喫煙やステロイド使用との関連が指摘されている。

    ▶診断のポイント

    光干渉断層計(OCT)では,黄斑を中心に漿液性網膜剝離がみられ,脈絡膜は肥厚し,中大血管は拡張している。フルオレセイン蛍光眼底造影で,網膜色素上皮からの蛍光漏出が特徴的である。インドシアニングリーン蛍光眼底造影では,脈絡膜血管への流入遅延,脈絡膜血管の拡張,透過性亢進所見がみられる。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    3カ月間は,経過観察または末梢循環改善薬で経過をみる。腎疾患,膠原病,皮膚疾患等でステロイドを長期に常用している患者では,ステロイドの減量,休薬をコンサルトする。3カ月以上漿液性網膜剝離が遷延する症例においては,フルオレセイン蛍光眼底造影の蛍光漏出点に対し網膜光凝固を行う。漏出点が中心窩にかかる症例,びまん性漏出があり漏出点が同定できないような症例に対しては,光線力学的療法(photodynamic therapy:PDT)や閾値下レーザー照射が必要となる。高齢者では脈絡膜血管新生を認めることがあるので,OCTアンギオグラフィーを用いて経過観察を行い,治療のタイミングが遅れないように注意している。

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