□ベーチェット病は,青年男性に多い。両眼性,再発性の非肉芽腫性ぶどう膜炎をみた場合はベーチェット病を疑い,全身症状(口内炎,陰部潰瘍,結節性紅斑,変形を伴わない関節痛など)を問診で確認する。近年,患者数全体の減少,完全型の減少,軽症化の傾向にある。
□多くは両眼性の飛蚊症や霧視,視力低下をまねく。最初は片眼のこともある。
□毛様充血や前房炎症の程度は様々である。前房蓄膿が生じた場合は,急性前部ぶどう膜炎とは異なり,重力に応じニボーを形成する。体位変換で移動し,フィブリンの析出は少なくさらさらした印象(好中球の集積)である(図)。
□隅角には周辺虹彩前癒着がみられることもあるが,サルコイドーシスのようなテント状を呈することは少ない。
□後眼部の炎症が強いときは,網膜血管炎に伴う硝子体混濁や網膜出血,滲出斑,黄斑浮腫,視神経乳頭腫脹などがみられる。
□蛍光眼底造影検査では,全象限にわたるシダ状の蛍光漏出が特徴的である。
□ベーチェット病に特異的な検査所見はなく,特徴的な臨床症状の組み合わせにより診断する。しかし,参考となる検査所見としては,血液検査で白血球数(好中球)の増加,赤沈の亢進,CRP上昇,血清補体活性(CH50)上昇,HLA-B51,HLA-A26陽性,皮膚の針反応陽性などがある。
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