□眼サルコイドーシスはわが国のぶどう膜炎のうち最も頻度の高い疾患であり,肉芽腫性ぶどう膜炎を呈する。
□多くの場合,両眼性である。20~30歳代と60歳代に緩やかなピークを持つ二峰性の分布を示し,特に50歳代以降は女性に多くみられる。
□代表的症状は霧視,羞明,充血,飛蚊症などである。
□サルコイドーシスの診断は眼病変のみで確定することはできず,全身検査所見と併せて総合的に診断する必要がある。サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き─2015に挙げられている眼病変を強く示唆する臨床所見は下記の通りである。
□豚脂様角膜後面沈着物や虹彩結節(虹彩上の結節をBusacca結節,瞳孔縁の結節をKoeppe結節と言う),虹彩後癒着がみられる。
□隅角検査で,隅角結節やテント状,あるいは台形状の虹彩癒着がみられることもある。
□雪玉状,あるいは数珠状の塊状硝子体混濁,静脈を中心とした網膜血管周囲炎,血管周囲結節,多発するろう様網脈絡膜滲出斑,または光凝固斑様の網脈絡膜萎縮病巣がみられる。
□頻度は高くないが,視神経乳頭肉芽腫や脈絡膜肉芽腫も特徴的な所見である。
□参考となる眼病変として,角膜乾燥症,上強膜炎・強膜炎,涙腺腫脹,眼瞼腫脹,顔面神経麻痺が挙げられている。
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