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網膜剝離

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-24
小椋祐一郎 (名古屋市立大学大学院医学研究科眼科学教室教授)
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  • ■疾患メモ

    網膜剝離は,神経網膜が網膜色素上皮細胞層より剝離し,網膜下に水(網膜下液)が貯留した病態である。

    網膜裂孔に伴う裂孔原性(特発性)網膜剝離(図1)と,脈絡膜あるいは網膜血管からの滲出/漏出により網膜下液が貯留して網膜剥離をきたす続発性網膜剝離にわけることができる。

    17_42_網膜剥離


    ここでは,主として裂孔原性網膜剝離について解説する。

    ■代表的症状・検査所見  

    【症状】

    網膜裂孔に起因する自覚症状としては,光視症(photopsia),飛蚊症などがある。光視症は硝子体による網膜への機械的牽引刺激によって起こる。飛蚊症は裂孔ができた際の硝子体出血や硝子体混濁が原因となる。網膜裂孔から硝子体液が網膜下に浸入して網膜剝離が起こると,剝離網膜に対応した視野欠損をきたす。網膜剝離が黄斑部に及ぶと,変視症や視力低下をきたす。

    【検査所見】

    眼底検査で網膜裂孔と網膜剝離を認める。網膜裂孔が最周辺部で小さい時には裂孔を発見するのが困難な症例もあるが,網膜剝離の分布範囲から裂孔位置のおおよその見当をつけることができる。

    アトピー性皮膚炎に合併した若年者の網膜剝離では,毛様体扁平部に裂孔があることもあるので,圧迫して最周辺部を確認しておくことが重要である。

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