□肺炎(pneumonia)はかつて小児において代表的な感染症であったが,肺炎球菌ワクチン,ヒブワクチンの導入により頻度は減った。しかし,まだ予断は許さない疾患である。
□原因により細菌性,マイコプラズマ性,ウイルス性の3つに大きくわけて治療方針を立てる。重症度により軽症,中等症,重症と分類されるが,患児に元気がなければ中等症以上と考えるのが簡便である。
□典型例では発熱,咳嗽などを呈し,胸部聴診にて肺雑音を聴取する。ウイルス性,マイコプラズマ性に比べ,細菌性では重篤感がある。いずれにせよ,進行すれば呼吸困難感を伴い,経口摂取不良となり悪循環に陥る。
□病歴,症状から肺炎を疑い,胸部X線にて診断がつく場合が多い。血液検査(白血球数,CRP)で細菌性かその他かの鑑別をするが,必ずしも容易ではない。
□細菌性の場合はなるべく起因菌の同定に努めるが,喀痰の採取が困難であり,結局経験的な抗菌薬の選択になることが多い。中等症以上では血液培養も施行しておくとよい。乳児では肺炎に菌血症を合併していることがある。
□マイコプラズマ性の場合はLAMP(loop-mediated isothermal amplification)法によりマイコプラズマDNAを検出することが推奨されている。
□原因ウイルスに関しては迅速抗原検査キットが一部のウイルスで使用可能であるが,大部分は検索不能である。
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