□赤ちゃんの臍ヘルニア(umbilical hernia)はいわゆるでべそと呼ばれ,生後1カ月以降に認められることが多く5~10%に発症する。
□臍ヘルニアの9割は自然閉鎖で治癒する。通常は嵌頓を起こすこともなく,医学的な問題はないため基本的には経過観察でよい。
□臍ヘルニアは見た目の変化から家族の不安が強いことも多く,家族の希望があれば約半数の施設で臍圧迫法が行われている。
□施設により対応が異なり,情報の混乱があるため,自然経過をみる場合においても十分に保護者に説明する必要がある。
□1歳以降も閉鎖しない場合には,小児外科や形成外科の対応を要する。
□臍部からの腸管脱出による見た目の変化が臍ヘルニアの症状である。
□臍ヘルニアは生後1カ月以降に臍部の膨隆に気づかれ,2~3カ月にかけて突出の増大をみる。
□通常は嵌頓を起こすことはなく,脱腸しても病的意義はない。その多くが6カ月以降に突出が軽減,縮小し,約9割は1歳までに自然閉鎖する。
□閉鎖機序についてはよくわかっていないが,乳児では2~3カ月以降の下肢を活発に動かす頃より縮小することから,腹部の筋肉の発達がヘルニア門の閉鎖と関連していると考えられる。
□ヘルニア門が閉鎖した後,臍ヘルニアにより引き伸ばされた余剰皮膚が残る場合には臍突出症となり,美容上の問題となることがある。
□触診所見としては,臍ヘルニアでは突出しているのは脱出腸管であるため,押さえるとグルグルとした感触とともに還納し,臍部にヘルニア門を触知する。
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