□リンパ腫(lymphoma)はリンパ組織から生じた悪性腫瘍である。病型の分布が異なるものの,小児から成人までみられる疾患であり,小児のリンパ腫の発症数はわが国で年間に100~200人である1)。治療戦略の決定や遂行には,化学療法に習熟した小児科医のほか,小児外科医,放射線科医,病理医の連携が必要なため,専門施設で治療されなければならない。
□リンパ腫細胞の浸潤によりリンパ節が腫大することで様々な症状がみられる。腹腔内リンパ節の腫大による腹部膨満のほか,腫大リンパ節が先進部となって腸重積をきたすこともある。また,縦隔リンパ節の腫大により気管の圧迫をきたし,呼吸困難に至ることもしばしばある。
□画像:単純X線,造影CT,造影MRIにて腫大したリンパ腫の病変が描出される。腫瘍に伴って胸水・腹水が貯留することも多い。
□血液検査:LDHや可溶性IL-2受容体が上昇することが多いが,非特異的である。骨髄浸潤を伴う場合,血球減少がみられることもある。生検標本により病理学的に診断される。
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