□脳腫瘍(brain tumor)は小児癌の中で白血病についで多く,小児癌死亡の主要な原因である。多くの異なる腫瘍の総称であり,各組織型によって治療戦略は大きく異なる。
□小児の脳神経腫瘍の症状は多彩であり,時に見逃されやすい。原則として,症状は中枢神経経路の障害によって生じるが,非特異的な症状である頭痛や吐き気が診断時の最も多い症状である。
□脳腫瘍を疑う小児における神経学的診察の評価項目は,意識状態,脳神経,運動神経,感覚神経,腱反射,協調運動,歩行である。
□CT:症状に緊急性がある場合はCTを撮影するが,単純CTでは脳幹部,小脳,鞍上部の腫瘍,そして白質の浸潤性腫瘍が見逃されやすいことは注意すべきである。
□MRI:脳腫瘍を疑う異常像を認めた場合,または引き続き脳・脊髄腫瘍の存在が否定できない場合には,脳と全脊髄の単純およびガドリニウム造影MRI撮影を行う。
□生化学:小児脳腫瘍の確定診断には,一部の例外を除いて摘出または生検標本による病理診断が必要であるが,希少かつ種類の豊富な小児脳腫瘍において,中央病理・分子診断を積極的に考慮すべきである。
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