□肥満症(obesity)の概念は,小児においても成人同様,"肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか,その合併が予測される場合で,医学的に減量を必要とする病態,疾患単位として扱う"である。
□わが国では,2000年に小児肥満症の診断基準1)が策定され,2014年に一部改訂され,小児肥満症ガイドライン2014〈概要〉2)として報告された。肥満に起因する健康障害として非アルコール性脂肪性肝疾患,および早期動脈硬化が加えられたほか,治療に関する内容が追加されている。
□肥満症の前提となる肥満は,表のように判定する2)。小児肥満症の診断基準に示される主要な症状項目としては,高血圧,睡眠時無呼吸などの肺換気障害,および黒色表皮症がある。参考項目としては,皮膚線条,股ずれなどの皮膚所見,肥満に起因する骨折・関節障害,月経異常,体育の授業などに著しく障害となる走行・跳躍能力の低下,および肥満に起因する不登校・いじめがある1)2)。
□小児肥満症の診断基準に示される検査所見項目としては,耐糖能障害(空腹時血糖高値・HbA1c高値,高インスリン血症),脂質異常症(高LDLコレステロール血症,高TG血症,低HDLコレステロール血症),高尿酸血症,肝機能障害(ALT高値),および超音波検査による脂肪肝の所見などがある1)2)。
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