□食物アレルギーは(food allergy)食物摂取や接触により,抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象である。多くはIgE依存性の即時型反応である。
□わが国の有病率は,乳児で5~10%,幼児で5%,学童期以降が1.5~3%程度と報告されている。加齢に伴い自然治癒(耐性獲得)する傾向がある。
□主要原因食物は,乳幼児期では鶏卵,牛乳,小麦であるが,学童期以降では甲殻類,果物類などの割合が増加する。
□症状は,皮膚,粘膜,呼吸器,消化器,神経など多岐にわたって現れる。アナフィラキシーのような重篤な症状が惹起されることもあり,注意が必要である(表)。
□原因食物摂取・接触後2時間以内に即時型反応として症状が出現することが多い。遅発型(約半日後),遅延型(2日後以降)反応をきたす場合もある。
□食物アレルギーの診断において最も信頼性の高い検査は食物負荷試験であるが,侵襲的であり,実施できる施設が限られている。
□実際には,問診などにより疑われた原因食物への感作を調べるため,血中食物抗原特異的IgE抗体検査,皮膚プリックテスト,好塩基球ヒスタミン遊離試験などが行われている。ただし,感作の成立(IgE陽性)のみでは食物アレルギーと診断することができないことに留意する。
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