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臨床のための筋病理 第5版【電子版付】

神経内科・小児神経領域必携

定価:14,960円
(本体13,600円+税)

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著: 埜中征哉(国立精神・神経医療研究センター病院)
著: 西野一三(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
判型: AB判
頁数: 344頁
装丁: カラー
発行日: 2021年07月15日
ISBN: 978-4-7849-5066-9
版数: 5
付録: -

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◆筋病理,筋疾患の所見・診断・治療法をわかりやすく解説したアトラス。7年ぶりの改訂です!
◆カラー病理組織写真500枚以上、電顕写真170枚以上を用いた本書ならではの解説は必見です。
◆第5版では、項目順序を整理し、新規画像も多数追加。より見やすく、最新の情報がまとまっております。

目次

筋病理組織標本の基礎
1 筋病理組織標本のつくり方
2 筋病理組織標本の読み方

主な筋疾患の筋病理組織像
1 筋ジストロフィー
2 先天性ミオパチー
3 縁取り空胞性ミオパチー・筋原線維性ミオパチー
4 自己貪食空胞性ミオパチー
5 筋強直性疾患
6 周期性四肢麻痺と細管集合体ミオパチー
7 代謝性筋疾患
8 ミトコンドリア病
9 筋炎
10 全身性疾患に伴う筋疾患
11 薬剤性・中毒性ミオパチー
12 神経原性疾患
13 整形外科領域の筋疾患

電子顕微鏡による組織像

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序文

「臨床のための筋病理」の初版が世に出たのは1987年5月。それから約34年の月日がたちました。初版のときはあまり売れず,少し宣伝しようということになり,東京大学医学部脳研究施設教授の朝長正徳先生に書評をお願いすることにしました。
朝長先生はいつも笑顔が絶えず,すごく穏やかな方で,私が最も尊敬する先生でした。先生の専門は中枢神経の病理でしたが,筋疾患にも興味をお持ちで,筋疾患のカンファレンスによく顔を出しておられました。その先生の書評です。「筋病理もよくできているけれど,お子さんの写真がすべて可愛く,著者の子どもさんに対する愛情が伝わってくる」とありました。なんと素敵な書評でしょうか。著者も意識していなかったことを指摘して下さり,私は大の朝長先生ファンになりました。でも,私が最も尊敬する朝長先生は50歳代後半の若さで他界されたのです。先生に第5版の書評も書いて頂きたかったです。
科学の進歩の速さには驚かされます。多くの筋疾患では遺伝子の異常が明らかにされ,診断に役立っています。筋生検を必要としない病気も増えてきました。病気の概念もどんどん変わっています。特に炎症性筋疾患の概念が変わっています。今回から共著者になっていただいた西野一三先生は神経筋疾患の分子生物学の世界のトップを行く人です。そのような権威者の著者に参加していただけたことは,どのように感謝してよいかわかりません。
今回の改定にむかって研究をバックアップしてくださった,研究者,研究補助者の皆さんに深く感謝します。最後に,第1-4版の編集にご努力頂いた日本医事新報社編集局の阿部尚子さま(今もお元気と伺っています),第5版の編集責任者の村上由佳さま(将来は編集長?)に感謝します。

2021年5月 埜中征哉


埜中先生がご執筆されてきた本書は,「日本では,筋病理の教科書といえばコレ」という皆が使っている教科書です。私も埜中先生の書籍で勉強してきました。これまで版を重ねてきたこのような代表的な書籍の改訂に加わることができ大変光栄に思っています。今回の改訂では,埜中先生が作り上げられたこれまでの版の構成や体裁を最大限残しつつ,内容を更新しました。特に最近コンセプトが大きく変わりつつある筋炎の項は全面的に書き換えるとともに,筋炎関連の免疫染色法を追記しました。
この改定版を作成するにあたって,多くの方々にご協力頂きました。写真や画像の使用をご許可下さった国内および,タイ,ミャンマー,マレーシアの先生方に心よりお礼申し上げます(ご協力頂いた先生方のお名前は該当する図の説明文に記載させて頂きました)。国立精神・神経医療研究センターメディカル・ゲノムセンターでいつも美しい標本をつくってくださる染色チーム・電顕チームの方々,限られた人手の中で迅速な検索を行ってくださる遺伝学的解析チームの方々,および多数の検体や資料を要領よく整理してくださっている検体受付の方々や事務担当の方々に感謝申し上げます。
また,埜中先生から2000年に筋病理診断を引き継いで以来,これまで筋疾患診断に貢献してきてくださった私の研究部門の歴代MD研究員の先生方に,深謝いたします。特に,2017年からはそれまでの筋病理診断のシステムを改め,研究室の若手MD 研究者と一緒に筋病理診断を行うようにしました。その結果,最終報告書返送までの時間が大幅に短縮されましたが,一方で,若手MD研究者の研究時間を大きく奪うことになってしまったことを心苦しく思っています。多大な貢献に心より感謝申し上げます。また今回の改訂にあたっては,大久保真理子先生,斎藤良彦先生,井上道雄先生,小笠原真志先生からは参考意見を頂きました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。
この第5版がこれまでの版以上に筋疾患医療に携わる方々のお役に立つことを願っています。

2021年5月 西野一三

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正誤情報

下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。

このたびは『臨床のための筋病理 第5版』をご購入いただきまして誠にありがとうございました。
本書に下記の変更がございますので,訂正するとともに,謹んでお詫び申し上げます。


90頁 表2

LGMD2Aの「遺伝子」

CANP3

CAPN3

 

90頁 表2

LGMD2Kの「アレル病」

Wlaker-Warburg症候群

Walker-Warburg症候群

 

90頁 表2

LGMDD5とLDMDR22の「遺伝子座」

2q37.3

21q22.3

21q22.3

21q22.3

21q22.3

2q37.3

 

102頁 表4

EDMD7の「原因遺伝子」

EMEM43

TMEM43

 

137頁

2.筋病理所見

3段落目

異常蓄積蛋白質を貪食使用として

異常蓄積蛋白質を貪食しようとして

 

171頁

ひとくちメモ8

最終的に出来上がったN型糖鎖はオリゴ糖転移酵素により蛋白質のアスパラギン酸残基に付加される(だからN[アスパラギン]型と呼ばれる)。

最終的に出来上がったN型糖鎖はオリゴ糖転移酵素により蛋白質のアスパラギン残基に付加される(だからN[アスパラギン]型と呼ばれる)。

 

198頁 表1

融合/分裂/運動障害の「分子遺伝」

OPA1;MNF2;KIF5A

OPA1;MFN2;KIF5A

 

221頁 表1

皮膚筋炎の「筋炎特異的自己抗体」

TIF-γ

TIF1

 

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