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救急画像診断のロジック Web動画237本収録 【電子版付き】

レジデント必読! 見逃し症例から学ぶER画像の読み方

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著: 長谷智也(岡崎市民病院 放射線診断科統括部長・血管内治療センター長)
判型: B5判
頁数: 344頁
装丁: 2色刷
発行日: 2023年07月23日
ISBN: 978-4-7849-2400-4
版数: -
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見逃し症例から学ぶER画像の読み方
研修医の勉強会でみんながよく見逃す症例や、ERで誤診された症例などについて、どうやったら診断できたのか、あるいは診断できなかったのならdispositionはどうすべきか、などあれやこれやと考えてみました。(まえがきより)

第1章 外傷・ショック〈11症例〉
第2章 熱源検索〈17症例〉
第3章 頭痛・頚部痛・意識障害〈13症例〉
第4章 胸痛・呼吸苦〈11症例〉
第5章 腹痛・その他〈13症例〉
(B5判2色刷344ページ・電子版付き)

★CT・MRIの連続スライスを動画として収録。紙面のQRコードからアクセスできます。動画サンプルはこちら
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目次

第1章  外傷・ショック
Case 00 肝損傷
Case 01 大動脈損傷
Case 02 腸管損傷
Case 03 脾損傷後、仮性動脈瘤からの再出血
Case 04 横隔膜損傷、腸管および腸間膜損傷
Case 05 肝細胞癌破裂
Case 06 網嚢内出血
Case 07 頭部外傷+臀部血腫
Case 08 左卵管妊娠破裂
Case 09 特発性腸腰筋血腫
Case 10 無気肺+肝性胸水

第2章  熱源検索
Case 01-1 結石性腎盂腎炎
Case 01-2 腎外腎盂
Case 01-2' 傍腎盂嚢胞
Case 01-3 腎盂外尿溢流
Case 02 気腫性膀胱炎
Case 03 腸腰筋膿瘍
Case 04 肝膿瘍
Case 05 膿胸
Case 06 S状結腸穿孔
Case 07 特発性気腹症、腸管嚢胞様気腫症
Case 08 浣腸による直腸穿孔
Case 09 フルニエ壊疽
Case 10 放線菌症
Case 11 感染性心内膜炎
Case 12 子宮留膿腫
Case 13 前立腺膿瘍
Case 14 腸骨静脈圧迫症候群、深部静脈血栓症、肺塞栓

第3章  頭痛・頚部痛・意識障害
Case 01 脳動脈瘤破裂+脳実質内血腫
Case 02 単純ヘルペス脳炎
Case 03 脳静脈洞血栓症
Case 04 頭蓋骨骨折、脳挫傷、外傷性くも膜下出血
Case 05 RCVS(reversible cerebral vasoconstriction syndrome)
Case 06 両側椎骨動脈解離
Case 07 頚髄硬膜外血腫
Case 08 Crowned dens syndrome
Case 09 石灰化頚長筋腱炎
Case 10 脳脊髄液減少症
Case 11 鼻性眼窩内合併症
Case 12 脳室炎
Case 13 門脈大循環短絡路による猪瀬型脳症

第4章  胸痛・呼吸苦
Case 01 肋骨骨折
Case 02-1 特発性縦隔気腫
Case 02-2 食道破裂
Case 03 PTP誤飲
Case 04-1 大動脈解離
Case 04-2 大動脈解離(Stanford A型、偽腔開存)
Case 05 急性好酸球性肺炎
Case 06 左MCA閉塞による超急性期脳梗塞とそれに伴う神経原性肺水腫 
Case 07 直腸癌に伴う癌性リンパ管症
Case 08 粟粒結核
Case 09 PTTM(pulmonary tumor thrombotic microangiopathy)

第5章  腹痛・その他
Case 01 腹部大動脈瘤切迫破裂
Case 02 大動脈解離
Case 03 総腸骨動脈閉塞
Case 04 S状結腸穿孔
Case 05 副腎静脈血栓症
Case 06-1 腎盂腎炎
Case 06-2 十二指腸穿通
Case 07 特発性腸間膜動脈瘤破裂
Case 08 虫垂炎穿孔
Case 09-1 内膜症性嚢胞破裂
Case 09-2 横隔膜損傷、脾損傷、腸間膜損傷
Case 10 鼡径ヘルニア自然整復後+Nuck管水腫
Case 11 大動脈解離(Stanford A型)、心タンポナーデ

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序文

本書は救急画像診断の基本がわかる本でもなければ、当直帯にリファレンス的に開く本でもありません。おおよそ主訴に基づいて章立てをしてあるものの、そこに出てくる疾患や病態は雑多で、系統的でもありません。毎日見るようなcommonな疾患もあれば、10年見ないような稀な疾患が混在しています。ひと目で診断できる症例もあるだろうし、そんなの分かるか! と本書を投げつけたくなることもあるかも知れません。

筆者が主に研修医相手に開いている画像診断の勉強会でみんながよく見逃す症例や、ERで誤診された症例などについて、なぜうまく行ったのか、失敗したのであればどうすればよかったのか? と反省する中で、どうやったら診断できたのか、あるいは診断できなかったのならdispositionはどうすべきか、などとあれやこれやと考えてみました。

医師になって大変なことの1つは「覚えることがたくさんある」ということです。ご多分に漏れず筆者も覚えることがとても苦手です。いざ患者さんが来てしまえば自分が持っている知識、調べられる範囲のデータで戦うしかないけれど、それらをどう使うかはその時次第。できるだけ考えることで、その患者の症状、病態、疾患を解き明かすことができないか、ということをいつも意識しています。筆者は救急医であると同時に放射線科医であるので、特に画像をどう使えばよいのか、ということを最も重要視しています。

ここで強調したいのは、「画像を読める」ことは大事だけれど、「画像を使える」ということの方がもっと大事だ、ということです。今撮った画像によって何かが診断できたのか、否定できたのか。ある疾患の可能性が上がったのか下がったのか。それとも何の情報も得られなかったのか。画像診断にはしばしば「答え」を求められますが、そういつもクリアカットにいくわけではありません。ある画像に加えて、こんな身体所見があれば、こんな採血結果があれば、こんな臨床経過であれば、それらの組み合わせで初めて診断できることもあります。

「画像を使って」考える作業は大変なことでもあり、この上なく楽しいことでもあります。短い文章で伝えるのはなかなか難しいですが、本書を通じて伝わらないかな、とほのかに期待しています。また、書いていて少し説教臭くなってしまったところもあり反省しています。筆者自身まだまだ勉強中の身の上であり、自分に言い聞かせていることがほとんどですので、ご容赦いただけると幸いです。

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