著: | 山本基佳(社会医療法人財団 慈泉会 相澤病院 救命救急センター 救急科 医長) |
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判型: | A5判 |
頁数: | 506頁 |
装丁: | カラー |
発行日: | 2024年03月19日 |
ISBN: | 978-4-7849-4608-2 |
版数: | 第1版 |
付録: | 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) |
●ER診療を「季節」の観点から捉えた異色の医学書第2版。
●各季節に新規項目を加えました。全45項目、コラム30項目。
●コモンなものから比較的稀なものまで、ERで遭遇しうる疾患を集めて解説。
●たとえば「けいれん+意識障害」。頭蓋内疾患・てんかん・低血糖が鑑別に挙がりますが、夏には熱中症、秋には銀杏中毒、冬には一酸化炭素中毒+シアン中毒が鑑別の上位に加わります。「季節」というスパイスを加えると、その後のマネジメントが大きく変わる─そんな疾患を集めました。
●冒頭に「最重要ポイント」を提示。以降、「キーポイントコレクション(日常臨床への直結点)」「本疾患がなぜ重要か」「病態・所見・診断(診断で役立つ知識)」「治療・方針(ERでどこまで行うべきか)」「その他の重要事項(鑑別疾患・ピットフォールなど)」で構成されています。
第2版 はじめに
初版が出版されてから5年以上が経ち, たくさんの方々からご感想を頂きました。本書の読者対象であった救急医,初期研修医だけでなく,看護師をはじめ様々な職種の方にお読み頂いていると知りました。
驚くと同時に,本当にうれしいことだと思いました。
毎年冬になると「低体温症」の項を読み,処置の予習をして下さっている方。休憩時間や隙間時間にいつも熟読して下さる方。「読みやすくて面白いから」とご子息の中学校に1冊寄贈して下さった方。固い医学ネタの隙間に散りばめた自分なりのユーモアにくすりと笑って頂いた方。本書をきっかけに季節の救急に関する講演や取材などお仕事のご依頼をして頂いた方。多くの方にお読み頂いたおかげで改訂版を出すことができました。ご支援頂いた皆様にこの場をお借りして心よりお礼申し上げます。
改訂にあたり各季節に1項目ずつ,合計4項目を加筆しました。
春・チョウセンアサガオ中毒:中毒の理解に必須の抗コリン性トキシドロームを,春に種まきをするチョウセンアサガオと絡めて。
夏・外耳道異物(虫):命には関わらないがある意味で最悪のケースである「耳に虫」を,虫が飛び交う夏の救急として。
秋・アキレス腱断裂:人体で最も太いアキレス腱の断裂を,スポーツの秋と関連させて。
冬・医療体制の確認:ワクチン接種会場での確認事項を,インフルエンザなどワクチン接種の機会が多い冬の注意事項として。
初版と同様,必ずしもその季節によく発症する疾患だけではなく,その季節から連想されるものも取り上げています。基本的にはどの項目からもお読み頂けますので, その季節が訪れる頃に各季節の該当ページをご覧頂き,救急外来での診療や,日常生活での疾患の予防など,少しでも医療従事者の皆さんや患者さんのお役に立てれば幸いです。
最後に,改訂のご機会を頂いた日本医事新報社の梅澤俊彦代表取締役社長ならびに日本医事新報社の編集局書籍課の皆様に重ねて感謝の意を表します。
2024年立春 山本 基佳