株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

jmedmook96 あなたも名医!もう困らない外科系当直 歩いてくるレッドフラッグ

定価:4,180円
(本体3,800円+税)

数量

予約する

この商品は予約商品となりますので、ご発送は発売後となります。

定期購読する

監修: 髙場章宏(JA広島総合病院 救急・集中治療科部長)
著: 三谷雄己(広島大学救急集中治療医学所属 県立広島病院 整形外科)
イラスト: 角野ふち
判型: B5判
頁数: 192頁
装丁: カラー
発行日: 2025年02月25日
ISBN: 978-4-7849-6696-7
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

◆ 忙しい外科系専攻医が避けて通れない「外科系当直」。本書は、そのストレスを解消し、救急外来での診療に自信を持って臨むための実践的ガイドです。
◆ 外科当直で見逃してはならない「レッドフラッグ」を示す疾患や、外因性に見える症状に潜む緊急性の高い内因性疾患への対応方法を徹底解説。初期診療において何を見逃さず、どこで専門医に相談すべきかを明確に示します。
◆ 肘内障や鼻出血の処置といった、自身で比較的安全に実施できる手技のコツも紹介しており、実践的なスキルアップが期待できます。
◆ 本書は、思考回路を繰り返し学ぶことで型を確立し、診療時間の短縮にも繋がる内容となっています。読めば一生役立つ知識とスキルを身につけられます。
◆ 新進気鋭のヒットメーカー三谷雄己先生、髙場章宏先生、看護師でイラストレーターの角野ふち氏のチームが贈る1冊です!

診療科: 救命救急 救命救急

目次

第1章 はじめに
1. はじめに
2. 本書における外科系当直のセッティング

第2章 各診療科をすぐに呼ぶべきレッドフラッグを示す疾患
[脳神経外科]1. 重症頭部外傷
[耳鼻咽喉科]2. 鼻出血(後方出血)
[耳鼻咽喉科]3. 鼻腔異物(ボタン電池・鋭利な異物)
[耳鼻咽喉科]4. killer sore throat
[眼科]5. 急性緑内障発作
[眼科]6. 網膜中心動脈閉塞症
[眼科]7. 開放性眼外傷
[眼科]8. 眼窩底骨折(外眼筋の絞扼を伴う)
[眼科]9. アルカリ眼症
[整形外科]10. 上腕骨顆上骨折
[整形外科]11. 脱臼骨折(Galeazzi 骨折)
[整形外科]12. 脱臼骨折(肩関節脱臼)
[整形外科]13. コンパートメント症候群
[整形外科]14. 開放骨折
[整形外科]15. 切断指
[整形外科]16. 動物咬傷(化膿性腱鞘炎)
[皮膚科]17. 壊死性軟部組織感染症
[皮膚科]18. 重症熱傷
[泌尿器科]19. 精巣捻転
[泌尿器科]20. 急性尿閉(膀胱タンポナーデ)
[泌尿器科]21. 持続勃起症
[泌尿器科]22. 泌尿器外傷
[歯科]23. 歯の外傷(完全脱臼)

第3章 外科系当直に紛れ込んでくる内科的疾患
1. 急性動脈閉塞症
2. 閉鎖孔ヘルニア
3. 一過性意識消失

第4章 ここまでならできる! マスターしたい非専門科もできる処置
[眼科]1. 眼表面麻酔・眼瞼の反転・開瞼器の使い方
[耳鼻咽喉科]2. 鼻出血(前方)の止血
[耳鼻咽喉科]3. 鼻腔異物の摘出
[整形外科]4. 肘内障の整復
[整形外科]5. シーネ固定
[整形外科]6. 肩関節脱臼整復
[皮膚科]7. 熱傷の処置
[泌尿器科]8. 間欠的導尿・尿道カテーテル留置
補足:破傷風の予防

もっと見る

閉じる

序文

巻頭言
私は現在,救急科での研修を終えた後,整形外科医として働く日々を過ごしています。外科系当直を担当してみて,その守備範囲の広さと,診療の難しさを改めて実感しました。中でも,“歩いてやってくる” 患者さんは,重症には見えない場合が多く油断しがちですが,実は見逃してはいけないレッドフラッグが潜んでいることも少なくありません。また,病歴としては外因性を疑っていても,時には重篤な内因性疾患を抱えていることもありますし,時には専門外のコツのいる処置が必要になることもあります。外科系当直では,マイナー科の知識を要するマイナーエマージェンシーに対応する能力も要求されるのです。自分が外科系医師の立場に身を置くことで,外科系医師が潜在的に抱えている当直に対する不安を身にしみて痛感しました。
幅広い外科系疾患やマイナーエマージェンシーについて網羅的に学べる類書は数多くあります。ですが,これらの分野の書籍は,各診療科の先生方が分担で執筆されているパターンが多く,非専門科の視点から乖離してしまっているものも少なくないと感じました。そこで,本書では,これまで救急医として幅広い領域を経験し,現在は外科系医師として外科系当直に従事する私だからこそ気づいた,「非専門科ならではの悩みや疑問点」を終始一貫した視点で,“単著”としてまとめ上げました。
本書は「歩いて来院する患者さんの中で,レッドフラッグを示す疾患を見逃さず,外科系当直で慌てないための思考回路」という,外科系当直で一番悩まされるポイントに重点を置いて解説しています。さらに,肘内障や鼻出血など,比較的安全に実施できる処置についても触れることで,「ここまでは自分で対応し,ここからは専門科へ相談」という裁量の境界をイメージしやすくしています。
もちろん本書のテーマは,まだまだ未熟な私一人では扱いきれない部分が多いことは重々承知しています。ですが,未熟であるからこそ初学者が悩むポイントに寄り添えると信じ,本書を形にするに至りました。そして私の拙い知識や文章を補うために,各診療科の専門医の先生方の力を多大にお借りしています。
加えて,イラストをともにつくり上げて下さった角野ふち様,さらに監修を引き受けて下さった私の兄貴である髙場章宏先生に心より感謝申し上げます。
初学者の方が「いざ」というときに迷わないための一冊として,少しでも外科系当直に対する不安を解消する一助になれば幸いです。
2025 年1 月
凍てつく青空の下,平和大通りの静けさに包まれ,新年の訪れを感じながら―
広島大学救急集中治療医学所属 県立広島病院 整形外科
三谷雄己

もっと見る

閉じる

関連書籍

もっと見る

関連記事・論文

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top