株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

頭部CT・MRIの撮像・読影マスター 見えない・読めないがなくなる!

解剖学や読影の基礎を押さえつつ,進歩した撮像技術や診断ノウハウも学べる!

定価:6,820円
(本体6,200円+税)

数量

予約する

この商品は予約商品となりますので、ご発送は発売後となります。

編著: 扇 和之(日本赤十字社医療センター放射線診断科部長)
編著: 内山史也(日本赤十字社医療センター放射線血管内治療科)
監修: 西村潤一(日本赤十字社医療センター放射線血管内治療科部長)
判型: B5判
頁数: 316頁
装丁: カラー
発行日: 2025年03月14日
ISBN: 978-4-7849-7362-0
版数: 初版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

・頭部疾患の的確な診断・評価のために,押さえておきたい基本と重要知識をコンパクトにまとめた実践ガイド!解剖学や読影の基礎を丁寧に解説しつつ,最新の撮像技術や進歩した診断ノウハウをふんだんに盛り込みました。
・50以上の頭部疾患を取り上げ,適切な撮像法の選択,読影・診断のポイントや神経学的症候について解説。疾患に関連して知っておきたいトピックスをMemoとして多数紹介しています。
・「見えない」「読めない」という壁を越え,現場で自信を持って診断に臨めるようになる!次世代を担う若い医師,知識をアップデートし診断力を向上させたい医師におすすめの1冊です。

目次

1章 総論
1 CT vs. MRI~その違いと使いわけ
2 CTA vs. MRA~その違いと使い分け
3 CTAはどうして立体的に見えるの?~三次元画像の原理を理解する!
4 MRI画像の種類~最低限知っておきたいこと
5 脳の解剖~vascular territory (血管支配領域) と脳葉
2章 脳血管障害
1 脳梗塞
2 脳出血
3 くも膜下出血
4 microbleedsとは?
5 静脈洞血栓症
6 頸動脈海綿静脈洞瘻
7 脳動静脈奇形
8 脳動脈瘤(破裂、非破裂、切迫破裂)
9 もやもや病
10 動脈解離
11 可逆性後頭葉白質脳症(PRES)と可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)
12 海綿状血管腫と静脈奇形
13 アミロイドアンギオパチー
14 脳血管障害の二次変性
3章 頭部外傷
1 頭部外傷の読影で注意すべきこと
2 脳挫傷
3 外傷性くも膜下出血
4 硬膜外血種
5 (慢性)硬膜下血腫
6 びまん性軸索損傷 (DAI)
7 脳脊髄液漏出症 (低髄液圧症候群)
8 脂肪塞栓症候群
9 硬膜下血腫 vs. 硬膜外血腫
10 頭蓋骨骨折および鑑別すべき病態
4章 炎症/感染症
1 脳膿瘍
2 単純ヘルペス脳炎
3 進行性多巣性白質脳症(PML)
4 Bell麻痺/Ramsay Hunt症候群
5 AIDS(acquired immunodeficiency syndrome)
6 髄膜炎
7 硬膜下/硬膜外膿瘍
5章 変性疾患
1 正常の加齢変化
2 アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)
3 アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)以外の認知症
4 特発性正常圧水頭症
5 パーキンソン病
6章 脱髄および類縁疾患
1 多発性硬化症
2 視神経脊髄炎および関連疾患
3 浸透圧性脱髄症候群
4 急性散在性脳脊髄炎
7章 代謝・中毒など
1 中毒性疾患総論
2 一酸化炭素中毒
3 低血糖脳症
4 低酸素脳症 (低酸素性虚血性脳症)
5 Wernicke脳症
6 薬剤性脳症
7 肝性脳症
8 可逆性脳梁膨大部病変を伴う軽度脳炎・脳症(MERS)
8章 腫瘍
1 脳腫瘍のポイント
2 WHO分類が新しくなった!(WHO 脳腫瘍分類第5版)
3 転移性脳腫瘍
4 原発性脳腫瘍
5 下垂体腫瘍
6 聴神経腫瘍
9章 先天奇形および類縁疾患
1 透明中隔の異常や正常変異
2 脳梁形成不全
3 キアリ奇形
4 くも膜嚢胞

もっと見る

閉じる

序文

編著の序
この度ご縁があり『頭部CT・MRIの撮像・読影マスター 見えない・読めないがなくなる!』という画像診断書籍を日本医事新報社より発刊する運びとなった。
本書は,総論は扇 和之が担当し,各論は日本赤十字社医療センター放射線血管内治療科の若手エースであり天才的な才能をお持ちの内山史也先生にご執筆をお願いした。内山先生に本書の執筆陣に入っていただけたのは,上司である西村潤一部長のご寛容さの賜物でもある。この場を借りて感謝申し上げたい。
「頭部CT・MRIの撮像・読影マスター 見えない・読めないがなくなる!」というタイトルの書籍であるが,頭部疾患を広く網羅し,各疾患の解説やその読影・診断のポイントのみならず,どういうときにどういう撮像法を選ぶとよいか,神経症候学的な解説,さらにMemoとして関連するトピックスが取り上げられ,それらがコンパクトにギュッと詰まった内容である。内山史也先生の天才的なセンスが随所に散りばめられている。臨床現場で座右の書として是非ご活用いただければ幸いである。
本書の執筆には予想以上の期間を要し編集部にも多大なご迷惑をおかけしたが,いくつもの奇跡や幸運に恵まれ,この度ようやく本書を発刊する運びとなった。辛抱強く寄り添っていただいた編集部の皆様に心より感謝申し上げたい。
新しい専門医制度,働き方改革,Z世代と呼ばれる若手医師の意識変革など,医療界は今まさに激動の時代にある。この時代を生き抜くささやかなツールの一つとして本書をご利用いただき,目の前に現れた画像からより多くの情報を読み取り,脳のハードディスクに蓄えられた情報へとリンクさせて正しい医療につなげる一助となることを願っている。
最後に,本書の企画・編集など一連の作業に誠心誠意ご対応いただいた日本医事新報社の立林りあ氏ならびにスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。
2025年1月
日本赤十字社医療センター放射線診断科 扇 和之

執筆の序
CT・MRI,超音波や核医学,血管撮影装置など放射線診断全般における機器性能向上・画像診断技術の進歩は目覚ましいものがあります。それに伴い,以前は“見えなかった”ものが“見える”ようになり,画像を“診る”人間にも能力向上が求められます。“見えている”ものをきちんと拾い上げることで,より良い医療につながります。特にCT・MRIは救急現場で必須であり,適切な撮像技術・読影力を備えることが不可欠です。
私は普段,主にIVR(画像下治療)に従事していますが,“generalistである”という信念のもと,救急の現場で撮像された頭部CT・MRI,体幹部CTに加え,自科で行うIVR関連画像〔心大血管画像(大動脈ステントグラフト関連),下肢CTA,腹部内臓動脈瘤,肺動静脈瘻など〕,悪性腫瘍関連のCT・MRI,整形外科領域の画像診断……など多岐に及ぶ分野の画像を日常的に読影しています。
現在,多くの診療科にとって画像診断は日常診療で重要な役割を果たしており,読影する放射線科医には多様で横断的な幅広い知識が求められます。一方で,各分野の画像の専門性の高さには目を見張るものがあります。画像診断を学び始めたばかりの初学者にとって,短期間ですべての領域の知識を幅広く,かつ専門的に身につけるのは難しく,「何をどこまで学ぶべきか」「どのようなプロセスで画像を正確に読み解くか」といった壁に直面することが少なくないでしょう。
本書『頭部CT・MRIの撮像・読影マスター 見えない・読めないがなくなる!』は,こうした悩みを解消するために企画されました。救急領域の頭部画像を中心に,変性疾患や脳腫瘍,先天奇形など,幅広い領域を豊富な画像とともに基礎から応用まで丁寧に解説することで,研修医や放射線科医のみならず救急医・神経内科医・脳外科医,放射線技師など画像に携わる多くの方々に手に取ってもらえる1冊に仕上がりました。私の信念である“generalistである”は,幅広い視点を持ちながら専門性を発揮し,様々な場面で患者さんに最適な医療を提供する力をつけることです。本書が皆様の診断力向上の一助となり,日々の臨床において役立つ1冊となることを願っています。
末筆になりますが,本書の企画・編集・校正等にご尽力いただきました日本医事新報社の立林りあ氏ならびにスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。
2025年1月
日本赤十字社医療センター放射線血管内治療科 内山史也

監修の序
本書『頭部CT・MRIの撮像・読影マスター 見えない・読めないがなくなる!』は,私が若い頃に手にすることができたならと思う1冊です。頭部画像診断の学びを始めた当時,脳梗塞や脳腫瘍の鑑別に苦労し,学んだ内容を整理して頭の中でわかりやすく整頓する難しさを痛感しました。その過程で,解剖学や読影の基礎を徹底的に学び,Anne G. Osborn のDiagnostic Neuroradiologyに助けられながら,日々研鑽を積んだことを思い出します。
医療現場は常に進化しており,画像診断も例外ではありません。私が若い頃とは比べ物にならないほど撮像技術は進歩し,頭部CTやMRIの情報量も飛躍的に増加しています。しかしながら,その膨大な情報を理解し,実際の診療に活かすには,基礎知識をしっかり押さえると同時に,最新技術の特徴をつかむ力が求められます。本書は若い医師たちがこうした課題を克服し,現場で自信を持って診断に臨めるよう作られたものです。
常日頃から若い医師たちに対してわかりやすい指導を続けてきた扇 和之部長だからこそ,本書には「読む人の目線」に立った優しさと工夫が詰まっています。解剖学や読影の基礎を丁寧に解説しつつ,進歩した撮像技術や診断ノウハウもふんだんに盛り込まれています。次世代を担う医師たちにとって,まさに父親が娘や息子に贈るプレゼントのような,心のこもった内容と言えるでしょう。
本書が若い医師たちにとって学びの一助となり,さらに高みを目指す礎となることを心から願っています。皆様がこの本を通じて「見えない」「読めない」という壁を越え,画像診断において自信を持てる日が来ることを楽しみにしています。
2025年1月
日本赤十字社医療センター放射線血管内治療科 西村潤一

もっと見る

閉じる

関連書籍

もっと見る

関連記事・論文

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top