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画像診断道場 アップデート版<腹部編>

クイズ形式で、画像診断が楽しく学べる!

定価:4,950円
(本体4,500円+税)

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編著: 西野徳之(総合南東北病院消化器センター センター長)
判型: B5判
頁数: 224頁
装丁: カラー
発行日: 2023年02月15日
ISBN: 978-4-7849-2417-2
版数: 第1版
付録: 無料の電子版(HTML版)が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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◆週刊誌「日本医事新報」で好評を博した連載「画像診断道場~実はこうだった」の待望の書籍化。連載のなかから腹部の画像診断にしぼってまとめ,X線,CT,内視鏡を中心に,幅広い症例を掲載。
◆基本から応用まで様々な症例をクイズ形式で出題。それぞれの症例に読影ポイントのエッセンスと醍醐味とclinical pearlがちりばめられているだけでなく,エキスパートからの教訓を込めた重要なメッセージも掲載。
◆現病歴,採血結果,画像などからクイズ問題としてチャレンジするもよし、教訓や診断名から知識の整理をするもよし、1冊でふたつの学び方が可能。
◆HTML版であれば、クイズから解答にワンクリックでアクセス可能。

本書は、Webコンテンツ(PDF版+HTML版)としても別途ご購入いただけます


目次

総論 1
症例&出題 11
1 逆流性食道炎の悪化? それとも……? 12
2 たかが単純X線,されど単純X線! 腹痛の原因は? 13
3 このポリープは何者か? 14
4 急性膵炎既往がある症例。心窩部痛の原因は? 15
5 Gasless abdomen? Gasless abdomenは重篤な病態を含む鑑別診断が必要16
6 溝状の陥凹に沿った小白斑の原因疾患は? 17
7 このイレウスの閉塞機転は? 18
8 膵癌に見えるが……囊胞性病変との関連は? 19
9 突然の心窩部痛の原因は? 20
10 硬い臍部腫瘤……尿膜管癌? 21
11 検診で発見された肝腫瘤……診断は? 22
12 右背部痛の原因は何か? 23
13 膵尾部多房性囊胞性病変……診断は? 24
14 MRI拡散強調像で高信号の腫瘤……良・悪性の判断は? 25
15 肝腫瘤,診断は? ① 26
16 肝動脈化学塞栓術後の暗赤色吐物……診断は? 27
17 左腎盂周囲の軟部腫瘤……リンパ腫? 腎盂癌? 28
18 肝腫瘤,診断は? ② 29
19 この膵尾部囊胞は腫瘍性? 30
20 腹痛,嘔気と腫瘍マーカー高値を呈す腹部腫瘤……診断は? 31
21 嘔吐の原因となる病態を想定できるか? 32
22 この脾臓病変は膿瘍? 33
23 リンパ節転移……原発巣はどこ? 34
24 膵体部の低吸収域はどのように読影すればよい? 35
25 結腸憩室炎? でも,憩室がみられない場合は? 36
26 肝機能異常と膵鉤部の腫瘤……切除不能の膵癌か? 37
27 びまん性の発赤・浮腫状粘膜……潰瘍性大腸炎か? 38
28 本当に小腸炎? 39
29 本当に麻痺性イレウス? 40
30 この胃腫瘍は? 41
31 食道に何が起こった? いったい何が出てきた? 42
32 繰り返す嘔吐の原因は? 43
33 胃の潰瘍を呈する粘膜下腫瘍,これ何? 44
34 胸部つかえ感と黒色便の原因は? 45
35 この食道潰瘍の診断は? 46
36 肝内ガス? 腹部リンパ節腫大も認めたら……? 47
37 突然の左側腹部痛……原因は? 48
38 潰瘍性大腸炎(UC)患者の発熱・下痢増悪…… UCの増悪? 49
39 「お腹が張ります」。その原因は便秘? それともガス? 50
40 多血性の肝腫瘤……肝細胞癌か? 51
41 coffee bean sign? 52
42 小腸閉塞? 絞扼性? それとも……? 53
43 慢性肝障害のない40歳代男性の巨大肝腫瘍!! 診断は何? 54
44 急性虫垂炎……でもその原因は? 55
45 胃粘膜下腫瘍……それとも? 56
46 腹痛増悪時の胸部単純X線写真。疑われる病態は? 57
47 逆流性食道炎患者の食道胃接合部腫瘍。その診断は? 58
48 大腸憩室炎? それとも……? 59
49 成人腸重積……その先にあるものは? 60
50 高度の心窩部痛,黒色便の原因は? 61
51 腹痛を主訴に受診した骨盤内の病変。どのような病態が考えられる? 62
52 化学療法中の下痢,発熱,意識障害の原因をどう考えるか? 63
53 血管をよーく見ると……。えっ? ここだけ? 64
54 発熱・意識障害の男性。骨盤内病変は何? 65
55 膵頭部の多血性腫瘍をどう考えるか? 66
56 左下肢不全麻痺患者の腹部単純CTからわかることは? 67
57 長期にわたる慢性下痢症の原因は? 68
58 膵管内に血腫……? この病態は何? 69
59 肝内胆管癌? 転移性肝腫瘍? それとも……? 70
60 囊胞性腫瘍? それとも充実性腫瘍? 71
61 このCT所見からわかる腹痛の原因は? 72
62 15mm大の潰瘍瘢痕様病変……組織型は? 深達度は? 73
63 膵尾部に認められる腫瘤の鑑別疾患は何か? 74
64 このCTからわかる疼痛の原因は? 75
65 B型肝炎もあるし,肝細胞癌だろうか? 76
66 Gasless abdomenからわかる腹痛の原因は? 77

解答&解説 79
索引 213

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序文

今回,週刊誌『日本医事新報』にシリーズで掲載された画像診断解説「画像診断道場~実はこうだった」をまとめて「腹部編」と「胸部編」に分けて刊行致しました。このシリーズは読者から大変ご好評を頂いており,まとめて勉強する機会をご提供したいと企画したものです。画像読影の妙と診断の思考を楽しみながら勉強頂ければ幸いです。
診察は救急外来でなくとも,真剣勝負です。症状があまり強くなくとも,重篤な疾患が隠れていることがあります。たとえば軽度の腹痛で受診し,軽度の肝機能障害を呈していたため,急性胆嚢炎と診断した症例が,その晩に急性腹症で再受診し,緊急手術となるということもあります。ですから,我々には診察時の刹那的な診断だけなく,これから悪くならないかという四次元的な思考も必要になります。また,患者の訴えに病態が必ずしも反映されないこともあります。原因は便秘なのに,宿便性穿孔で致死的な病態に陥ることもあります。ですから,診察においてはいかに画像診断を有効に使っていくか,そしてそれをいかに読み解いていくのかが大切です。言い換えれば,それは医療上の危機管理意識でもあります。
消化器内科医にとって画像診断は診療の要です。腹部単純X線,エコー,CT,MRI,内視鏡,PETなどを駆使して,精度の高い診断を求めます。しかし同時に,cost benefitを考え,必要最小限の検査を意識することも大切です。検査≒費用を意識することは患者さん個人のためでもあり,国の全体の医療費の抑制のためでもあります。加えて,ALARA(AsLow As Reasonably Achievable)原則に則り,X線の被ばく低減を意識することも大切です。
画像の異常所見は病態によって違いますが,存在診断と質的診断の主要所見に加え,間接的所見を見極め,さらに疾患頻度も考慮します。もちろん現病歴,身体所見,採血結果,既往歴,合併症なども熟慮し,可能性のある疾患を鑑別診断していきます。
本書に供覧した症例群は画像を見てすぐに診断がつくような疾患ではありません。解説を読んで頂くとエキスパートの出題者の診断への思い入れをも読み解くことができると思います。それぞれの症例において読影ポイントのエッセンスと醍醐味とclinical pearlがちりばめられていて,症例から得られる教訓もまた学びとなります。消化管から肝臓,膵臓,骨盤臓器など多様な臓器の多種の診断をまとめて勉強するよい機会となります。
みなさまに本書を手に取って頂けましたこと,著者を代表して心よりお礼申し上げますとともに,みなさまのこれからの診療のお役に立てて頂けますことを,祈念申し上げます。
2023年1月
西野徳之

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