日本看護協会(福井トシ子会長)は26日に会見を開き、ナース・プラクティショナー(仮称)制度の構築を盛り込んだ今年度の「重点政策・重点事業(重点計画)」を発表した。
ナース・プラクティショナー(仮称)は、米国等で養成されている、医師の指示を受けずに一定レベルの診断や治療を行うことができる看護師を指す。日看協は、新たな国家資格とすることを目指している。
厚生労働省の検討会では、医師の働き方改革の一環として看護師をはじめとする多職種へのタスクシフティング、タスクシェアリングの議論を深めている。こうした流れを受け日看協は、厚労省の検討会で同制度創設の方向性が結論づけられるように求める方針。
具体的には、会内に特別委員会を設置し、関係者との合意形成を図りつつ検討会で対応するほか、日本NP教育大学院協議会や日本看護系大学協議会が認証する大学院で診療看護師(NP)教育課程を修了した者の活動の実績・効果に関するエビデンスを構築するとした。
会見で福井氏は、四病院団体協議会が4月、加藤勝信厚労相に提出した医師の働き方改革に関する要望書で、同制度の整備を訴えたことを評価。「他団体と協力していくことが必要」と述べた。
重点政策・重点事業(重点計画)では、認定看護師制度の再構築に向けた基盤整備も明記された。
日看協は、医療提供体制や患者像の変化を踏まえ、2020年より特定行為研修を組み込んだ新たな認定看護制度をスタートする。これに向け、病態判断力・臨床推論力を強化した新たな教育プログラムの開発に力を入れるとした。