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認知症の遺伝子診断に関する最新の研究成果と今後のクリニカルシークエンスの可能性

No.4932 (2018年11月03日発行) P.55

大田秀隆 (秋田大学高齢者医療先端研究センターセンター長/教授)

新飯田俊平 (国立長寿医療研究センター メディカルゲノムセンター長/東北大学大学院客員教授)

登録日: 2018-11-04

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  • 認知症の遺伝子診断に関する最新の研究成果と今後のクリニカルシークエンスの可能性について教えて下さい。
    国立長寿医療研究センターメディカルゲノムセンター・新飯田俊平先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    大田秀隆 秋田大学高齢者医療先端研究センターセンター長/教授


    【回答】

    【疾患ゲノム研究進展に伴い,多因子疾患でも遺伝学的検査が行われるようになってきた】

    ゲノム情報に基づいて個人に最適の診断・治療を行うゲノム医療の取り組みが進む中,認知症の遺伝子検査への関心も高まっているようです。認知症の遺伝子検査(クリニカルシークエンス)は,主に家族性が疑われる場合や遺伝要因が強いとされる若年発症の症例で適用されます。認知症の大多数は遺伝要因と環境要因が絡み合う多因子疾患ですが,単一遺伝子変異が原因であれば確定診断につながります。家族性のアルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD)や前頭側頭葉型認知症(frontotemporal lobar degeneration:FTLD)だけでなく,稀ですが遺伝性びまん性白質脳症(hereditary diffuse leukoencephalopathy with spheroid:HDLS)や成人発症型遺伝性白質ジストロフィー(adult onset autosomal dominant leukodystrophy:ADLD)などの診断に寄与することもあります。しかし,これらの症例は認知症全体のごくわずかです。

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