厚生労働省は28日、都道府県が策定する医師確保計画に関して、医師少数の3次医療圏と2次医療圏では、他の医師多数の3次・2次医療圏から医師を確保するとの方針を提案した。同日に開かれた「医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会」で示した。
都道府県は2019年度から、医療計画の中で医師確保計画を策定し、3次・2次医療圏ごとに医師確保の方針と目標医師数を設定することが義務づけられる。医師確保計画は、圏域の医師数の多寡によって内容が異なる。
28日の分科会で厚労省は、「医師の少ないところは、医師の多いところから医師の確保を行うことが望ましい」との認識に基づき、3次医療圏単位では、少数医療圏の場合は他の多数医療圏から医師の確保ができるとの考え方を提示。一方、医師多数医療圏では、圏内に医師少数の2次医療圏(医師少数区域)がある場合でも他の3次医療圏から医師の確保は行わないとした。医師数が中程度の3次医療圏では、必要に応じて他の3次医療圏から医師確保を許容する。
2次医療圏単位での医師確保についても同様の対応とする。2次医療圏単位では医師少数区域に該当しない圏域でも、離島や山間部の僻地がある場合は、その地区を「医師少数地区」に指定することで、医師確保の必要性を明確にし、優先的な調整を可能にする。
分科会では、対応方針に異論は出なかったが、実効性を疑問視する声も上がった。今村聡構成員(日本医師会)は、多くの3次医療圏が都道府県単位であることから「医師少数医療圏がどの県に派遣を依頼するかなど具体的な調整は非常に難しい」との見解を述べた。