厚生労働省は1月25日、自民党厚生労働部会(小泉進次郎部会長)に、28日召集の今通常国会への提出予定法案5本の概要を示した。そのうち、健康保険法(健保法)等の改正案は2月中旬、医薬品医療機器法(薬機法)等の改正案は3月上旬に提出する方針。ただし、厚労省による「毎月勤労統計」の不適切調査問題を巡り、国会は紛糾が予想され、法案審議にも影響が及びそうだ。
健保法等の改正案では、マイナンバーカードを用いたオンライン資格確認の導入を規定し、医療機関における初期導入費用を補助するための基金を創設。また、外国人労働者の受入れ拡大に備え、健保の被扶養者の要件として「国内居住」を原則化する。社会保険審査診療報酬支払基金の都道府県支部の廃止なども規定する。
薬機法等の改正案では、薬剤師の業務として、服薬期間を通じた服薬指導の実施と指導内容の調剤録への記録を義務化。オンライン服薬指導については、対面服薬指導を補完する例外として法令上に位置づける。企業から医療関係者への情報提供のあり方も見直し、添付文書の製品への同梱を廃止して「電子的な方法」による提供を原則化する。医薬品等の虚偽・誇大広告で不当な利得を上げた企業に対する課徴金制度の創設なども盛り込んだ。
このほか、児童福祉法改正案では、都道府県に児童相談所(児相)への医師・保健師と弁護士の配置を義務化し、児相の虐待事案への法的な対応能力を強化する。