【質問者】
平岡 淳 愛媛県立中央病院消化器病センター内科部長
【肝生検に替わる非侵襲的診断の大いなる可能性が期待されている】
慢性肝疾患では病因(etiology)にかかわらず肝線維化が予後に強く関連するため,肝線維化の診断はきわめて重要であることが知られています。これまで肝線維化を診断するために肝生検が行われてきました。肝生検で採取できる組織量は肝臓全体のわずか1/5万に相当し微量であるため,臨床で想定した線維化ステージと組織診断に乖離(サンプリングエラー)を生じることがしばしばあります。また,異なる病理医が同じ組織片を診断した場合にも20%ほどの乖離があることが報告されています。さらに,肝生検は出血などの致命的合併症も起こす可能性があります。以上より,低侵襲でより広い範囲の肝線維化を反映しうる診断法が必要とされています。
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