20年ほど前に耳での再生医療として、コラーゲン膜(テルダーミスⓇ)とbFGF製剤(フィブラストスプレーⓇ)を用いて鼓膜穿孔を閉鎖させる鼓膜再生治療を確立し、現在までに延べ1000人以上の鼓膜穿孔の患者さんの治療を行いました。その鼓膜再生治療のきっかけが、実は写真に示した“羊膜”を用いた鼓膜再生治療でした。上段の写真は鼓膜穿孔で、下段の写真は“羊膜”を挿入した後、鼓膜が再生して穿孔が閉鎖したものです。当時は世界初の治療として、地方紙ながら朝刊一面を飾った研究ですが、実はその穿孔性中耳炎の患者さんに“羊膜”を提供したのは患者さんの娘さんでした。
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