7月21日に投開票が行われた参議院議員選挙の結果を受け、日本医師会の横倉義武会長は24日の定例会見で、日本医師連盟(日医の政治団体)の組織内候補として擁立した羽生田俊氏(元日医副会長)の2期目の当選について「一層の活躍を期待している」と述べた。一方で、同氏の得票数の伸び悩みに関して「原因をしっかり分析し、医師会の政治活動のあり方を抜本的に見直す必要がある」とし、「若手医師」と「地方議会」に焦点を当てた医師会の組織強化に取り組む考えを示した。
今回の参院選では、羽生田氏(自民)のほか、古川俊治氏(自民)、梅村聡氏(維新)、小池晃氏(共産)の4人の医師候補が当選した。羽生田氏は比例代表で2期目の当選を果たしたものの、得票数は前回(2013年)を10万票近く下回る15万2807票だった。自民党の比例代表で当選した医療系職能団体の組織内候補の中で比べると、羽生田氏の得票数は、日本看護連盟推薦の現職・石田昌宏氏(18万9893票)、日本薬剤師連盟推薦の新人・本田顕子氏(15万9596票)に次いで3番目となった。
会見で横倉氏は「政治における医療の代表は医師会であると認識されている」と述べ、2020年度診療報酬改定や「骨太方針2020」策定に向けた医療・社会保障財源の確保に向け、発言力の低下を阻止したい考えを強調。その上で、医師会の組織力強化に向けて取り組む方策として、▶若手医師に対し一方的に日医の考えを理解してもらうのではなく、意見を吸い上げる形に変える、▶地域医師会が都道府県・市町村議会議員と日常的に連携し、医療に対する問題意識を共有する―などを挙げた。