都道府県で医師偏在対策を推進する人材を養成・確保する方策を協議していた、厚生労働省の「中央医療対策協議会」(議長=鈴木康裕厚労省医務技監)は8月1日、「議論の整理」を取りまとめた。都道府県が公衆衛生医師の積極的なリクルートを行う必要性を指摘した。
「議論の整理」では、都道府県の医療政策人材に求められる能力として、①医療政策全体にわたる総合的な知識を取得、②地域の医療関係者と情報共有と意思疎通を図る、③データも活用しながら医療政策を企画・立案―などと列挙。
その上で、都道府県が配慮すべき取組として、医療機関との人事交流のほか、公衆衛生医師の積極的なリクルートを行う必要性を指摘。さらに、医療政策間の連携を深めるとともに、高度な調整業務を担うことを目的として、全体を総括する立場に公衆衛生医師を配置することも挙げた。大学に対しては、医療政策の研究・教育機能の充実を図ることが重要と指摘した。
また、医療政策の実行にあたっては、行政機関や地域医師会、大学等が連携することが重要と強調し、特に地域医師会に対しては、地域のまとめ役となることに期待を示した。
国の支援策としては「今年度中に(医療政策人材の)研修プログラムの開発に着手し、早期に研修の場を確立する必要がある」と指摘した。
議論の整理を受けて、日本医師会と全国医学部長病院長会議(AJMC)は6日に合同会見を開いた。日医の釜萢敏常任理事は「都道府県における行政、大学、医師会の連携を注視し、都道府県医師会が役割を果たすことができるように全力を尽くす」とコメント。AJMCの山下英俊会長は「日医と十分連携しながら都道府県を支援し、一緒になって機能を果たしたい」と述べた。
■関連記事