No.4978 (2019年09月21日発行) P.8
小林米幸 (小林国際クリニック院長)
登録日: 2019-09-19
最終更新日: 2019-09-18
訪日外国人観光客や在留外国人の数は増加の一途を辿っている。外国人への医療提供体制の整備は喫緊の課題だ。外国人診療の第一人者である小林米幸氏に話を聞いた。
特に気を付けなければいけないと感じるのは、慢性疾患の治療です。たとえば高血圧で薬を処方した場合、大体の日本人患者は数値が下がっても、薬を飲み続けます。降圧薬の効果だと分かっているからです。ところが、外国人患者は内服を止めてしまうことが多いんです。日本人の医師や患者さんが常識として前提に置いている知識がなく、数値が下がったら「治った」と思ってしまう。収縮期血圧が140mmHgの日は薬を飲み、127mmHgの日は飲まない。そういう考え方のようです。慢性疾患の患者に薬を出すときは、根本的な治療ではないため、絶対に飲み続けなければならないことや、飲まない場合に起こりうることの説明を強調した上で、次回の受診日を確認することが大切です。