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Go To 信州[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(319)]

No.5029 (2020年09月12日発行) P.65

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2020-09-09

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夏休みは1泊2日のテント泊登山がメインで、計3泊4日の信州旅行。お盆の移動は自粛をとか言われてたけど、まあええやろうとGo To 信州を決行したのであります。

新幹線も在来線特急も見事にガラガラ。意外に混んでいたのが、松本から八方尾根の最寄り駅である白馬まで行く大糸線の各駅停車。といっても、全員が座れるくらい。

タクシーの運転手さんによると、列車での移動を避けて車で観光に来てる人が多いとのことだった。なので、タクシーはあがったりでと、えらくぼやいておられました。

八方のゴンドラとリフトを乗り継いだ終点(1820m)から、標高2060mの八方池まではハイキング客でいっぱいだった。それでも密とはほど遠い。中にはマスクで歩いている人もおられたが、風が爽やかに吹いていたし、さすがにそれはいらんだろう。

3密を避けてテント泊にしたけれど、山小屋は宿泊人数を大きく制限。テントも完全予約制で、張り数の制限までしていたのはちょっと過剰反応かも。ビールを買ったりトイレを使ったりで山小屋に入る時は手指をアルコール消毒で、売店のおじさんはラテックス手袋着用と、かなり厳重だった。

下山して後泊した松本の旅館、温泉の割には若いお客さんがやたらと多かった。スタッフによると、おかげさまで満室ですけれど、例年とは客層が少し違いますとのこと。やっぱり老人は自粛したはったんでしょうか。って、自分も老人やけど…。

どこも厳戒態勢だし、こちらも大阪から長野にコロナを持ち込んだらいかんので細心の注意を払っていた。そんなこんなで、旅行中は、大阪にいて日常生活を営んでいるより、コロナ感染の危険度ははるかに低い気がした。ただし、二度の機会を除いて。

一度は、ホテルの狭いロビーで、マスクなしのおっさん5人組。もう一度は、居酒屋で隣に座った泥酔4人組。これは、たぶん場末のスナックの慰安旅行。どちらも大声で話しまくり。こういう輩の中に万が一感染者がいたりすると、周囲にうつしまくるにちがいない。もちろん、早々に退散した。

ちょっと世間体を気にしてこそこそと出かけた旅行だったけれど、現地は過剰なまでの配慮だったし、ごく一部の人を除けば観光客もよくルールを守っていた。で、結論としては、これくらいの旅行は行っても大丈夫やったわ、ということであります。

なかののつぶやき
「八方ゴンドラリフトの乗り場です。けっこうな行列で半時間ほど待ちましたけど、例年に比べるとがら空きだそうです。4人乗りのところ2人しか乗せてなかったのも行列の原因だったでしょうね」

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