2月12日に開かれた厚生労働省の地域医療構想に関するワーキンググループ(WG)は、診療実績の報告が通年化される2021年度以降の病床機能報告の方法論なども検討し、1年分の月別の診療実績の報告を病棟単位で求めることなどを決めた。データ量の増加に伴う医療機関の負担に配慮し、報告様式への転記の手間を省く仕組みも導入する。
病床機能報告のデータは地域医療構想調整会議の議論などにも活用されるが、従来の6月診療分のみの診療実績データでは、季節変動の影響を受ける可能性があるとして、21年度から1年分の実績報告に変更することになっていた。
この日のWGで了承された対応によると、21年度以降は前年度(21年度報告は20年4月〜21年3月)の月別の診療実績を病棟単位で報告。見直しに際しては、地域医療構想調整会議などで活用頻度が低い項目を報告対象から外すことも含め、適切な項目設定を検討する。
報告の方法も、医療機関の負担軽減を念頭に見直しを進める。診療実績のデータ集計は厚労省が行い、各医療機関に提供しているが、これまではデータの報告様式への転記を手作業で行なったり、データに含まれない公費レセプト分の実績などを追加入力したりする手間が生じていた。そこで21年度以降は厚労省から提供するデータを公費レセプト分が含まれたものに改めるほか、反映ボタンを押せばデータが月別、病棟別に報告様式に自動転記される仕組みを導入する。
従前から年間実績を報告することになっている新規入棟患者数や救急車の受入件数などの項目も、対応可能な医療機関には、年間総数ではなく月別の報告を求める(当面は任意での報告とする)。病床機能報告の報告方法は、23年度を目途に電子による報告(オンラインや電子記録媒体での提出)を原則化する。現在、紙媒体で報告している約1000の医療機関(104病院、979有床診)には電子報告への移行を促すが、原則化後もやむを得ない事情がある場合に限り、紙媒体での報告を認める考え。