厚生労働省は2月12日の社会保障審議会医療保険部会に、医療機関などにおけるオンライン資格確認システムの導入準備状況を報告した。それによると、2月7日時点の顔認証付きカードリーダー申込数は全医療機関・薬局の約3割で、政府が2021年3月の運用開始時点の目標としている6割程度とは大きな開きがあることがわかった。
2月7日時点の顔認証付きカードリーダー申込数は6万5140施設、全施設に占める割合は28.5%だった。施設種類別の内訳は、▶病院3150施設(申込率38.0%)、▶医科診療所1万8752施設(21.0%)、▶薬局2万6707施設(44.6%)―などとなっている。これに対して、マイナンバーカードの交付枚数は約3222万枚(人口比25.3%)、このうち健康保険証利用の申込があったのは約250万件(7.8%)と、こちらも低水準にとどまっている。
今後の対応について、厚労省は導入意向調査を行うほか、財政支援策の周知や申込勧奨に引き続き注力すると説明している。レセコン改修などの初期導入費用に対する財政支援では、現在、21年3月末までに顔認証付きカードリーダーを申し込んだ医療機関・薬局を対象に、基準上限額までは自己負担なしで全額を補助する補助金の増額措置を実施中。3月下旬からのオンライン資格確認の運用開始に先立って、3月上旬には500施設程度を対象に、本番と同じ環境でのプレ運用も行われる予定だ。
この日の部会では、現在は紙ベースで運用されている訪問看護のレセプト請求のオンライン化についても報告された。レセプト請求の効率化やレセプト情報の利活用につなげることが狙い。すでに調査事業や関係機関による協議が重ねられており、▶医科レセプトと同様、オンライン請求システムを利用した仕組みとする、▶審査支払機関での原審査はコンピュータチェックで実施する、▶23年1月(22年12月診療分の請求)からオンライン請求を開始する―方針が固まっていることを明らかにした。