日本イーライリリーは2月25日、「片頭痛発作の発症抑制」の効能・効果で国内での製造販売承認を1月に取得した新薬「エムガルティ皮下注」(一般名:ガルカネズマブ)についてメディア向けセミナー(オンライン)を開催した。
エムガルティは、イーライリリー・アンド・カンパニーが創製したヒト化抗CGRPモノクローナル抗体。三叉神経節や硬膜上の三叉神経末梢に存在する神経ペプチドで、過剰に発現すると血管拡張作用や神経原性炎症を介して片頭痛発作を引き起こすCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)の活性を阻害し、片頭痛発作の発症を抑制するとされている。現在米国など約40カ国で承認されている。
セミナーで講演した日本頭痛学会代表理事の平田幸一氏(写真)は「片頭痛の支障度は時に非常に高く生産性に影響する」として、片頭痛が労働生産性などに与える影響の大きさを強調。埼玉精神神経センター埼玉国際頭痛センター長の坂井文彦氏は、他剤で効果不十分な片頭痛患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験でエムガルティ群はプラセボ群に比べ1カ月当たりの片頭痛日数が4.1日減少したことなどを説明した。
エムガルティ皮下注はオートインジェクターとシリンジの2種類が販売される予定。
「エムガルティ皮下注」の効能・効果/用法・用量
【効能・効果】片頭痛発作の発症抑制 【用法・用量】初回に240mgを皮下投与、以降は1カ月間隔で120mgを皮下投与