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■NEWS 外来機能報告、WGの検討結果を年内に取りまとめ―第8次医療計画検討会

登録日: 2021-06-24

最終更新日: 2021-06-24

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厚生労働省の「第8次医療計画等に関する検討会」は618日に開いた初会合で、第8次医療計画の主要記載事項別に3つのワーキンググループ(WG)を設置し、連携して議論を進めることを決めた。このうち2022年度に導入される「外来機能報告制度」に関するWGは、7月上旬にも初会合を開き、年内に取りまとめを行う予定。

5月に公布された改正医療法で、第8次医療計画(2429年度)から現在の5疾病・5事業に新興感染症への対応を追加することや(5疾病・6事業)、22年度から外来機能報告制度を創設することが決まっている。また、都道府県は、第8次医療計画の策定に合わせて、医療計画の一部である地域医療構想、医師確保計画、外来医療計画の見直しも求められる。

■地域医療構想・医師確保計画、在宅医療のWGも設置

検討会は初会合で、①外来機能報告等に関するWG、②地域医療構想及び医師確保計画に関するWG、③在宅医療及び医療・介護連携に関するWG(いずれも仮称)―の3つのWGを置き、第8次医療計画策定に向けた諸課題について集中的な議論を行うことを決めた。

①ではまず、外来機能報告制度の運用に必要な事項の検討に着手する。同制度は、一般病床と療養病床を持つ病院、診療所に「医療資源を重点的に活用する外来」(以下、重点外来)の実績報告や、重点外来を地域で基幹的に担う意向がある医療機関(以下、重点外来基幹病院)に手挙げを求める仕組み。地域に設ける協議の場で、報告結果を参考にしながら外来機能の分化と連携について検討し、必要があれば医療機関間の調整も担う。

このためWGでは、▶重点外来の具体的な項目、呼称、▶外来機能報告の報告項目、報告スケジュール、▶地域における協議の場の参加者、協議スケジュール、▶重点外来基幹病院の基準、呼称、▶紹介・逆紹介の推進、診療科ごとの外来分析や外来機能報告の施行に必要なその他の事項―などを検討。年内に取りまとめを行う。その後はWGを改組し、「外来医療計画」のガイドライン(GL)見直しの検討に移る。

②では、医師の適正配置も考慮しつつ、医療機能の分化・連携に関する推進方針や、地域医療構想と医師確保計画の策定GLの見直しについて検討。③では、在宅医療や医療・介護連携の推進について議論を重ねる。救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療といった医療計画のこのほかの記載事項については、厚労省の既存検討会や研究班などで検討を進める。

■新興感染症への対応は検討会本体で議論、予防計画との整合性に配慮

検討会本体では、新規追加される新興感染症への対応を検討。その際、感染症法に基づく予防計画との整合性が確保されるよう、双方の検討会の構成員が合同で議論する機会を設ける。このほか、各WGの検討結果を受けた医療計画の記載事項全般に関する総合的な議論の場としても機能する。

外来機能報告制度以外の課題については、年明けから議論を本格化させ、22年12月頃までに報告書をまとめる。その後、23年3月までに医療計画の基本方針(大臣告示)、作成指針(局長通知)、医師確保計画と外来医療計画の作成GLを改正。これらを参考に、都道府県は23年度中に第8次医療計画を策定する。

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