乳癌は今やわが国においても女性の罹患数がもっとも多い癌種となり、年間9万人もの新たな乳癌患者が発見されている。芸能人の乳癌罹患が相次ぎ、社会的にも注目を集めるようになっている。
さて、お示ししている画像は術前にアンスラサイクリンとタキサンによる化学療法を実施した患者さんの超音波像(左:治療前、右:治療後)である。あわよくば癌の消失、せめて縮小を狙って行う治療が、残念ながら増大という最悪の結果となってしまった。癌が完全に消失すれば良好な予後が期待できる一方、抗癌剤で縮小しなかった症例は予後不良でもあり、この患者さんもすぐに遠隔リンパ節に転移してしまった。
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