小児病院の新生児集中治療室(NICU)で働き続けて30年。誕生間もなくNICUに運ばれてきた新しい命を守りたいと願いながら、赤ちゃんとご家族の未来を守れるのかという不安と向き合ってきました。退院後はフォローアップ外来で、早産で生まれた赤ちゃんや、生まれつきの病気を持つ赤ちゃんたちの成長や発達を応援してきました。
自分たちが守りたかった「未来」が「今」なんだと気づかされる瞬間が増えてきました。保育器や人工呼吸器に囲まれていた赤ちゃんたちが成長し、入学、卒業、就職などの節目にNICUを訪ねてくれます。「命を救ってくれてありがとう」というNICU卒業生の言葉や笑顔、そばで微笑むご家族の涙に、胸が熱くなることがあります。
残り589文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する