当科は、2006年に大学病院併設型の子ども医療センターが開院したことに合わせて新設された。それまで児童思春期の精神疾患に関しては、年少児は小児科で、年長児は精神科で対応していたのが、当科で一貫して診療することになった。特筆すべきは、大学病院としては初めて、独立した児童思春期専門の全15床の精神病棟が設置されたことである。現在の外来患者数は年間で延べ5000人以上、新入院患者数は年間で70人前後となっている。外来では、ほとんどすべての児童思春期の精神疾患を診療できるが、入院患者の症状は摂食障害や自閉症スペクトラム(autism spectrum disorder:ASD)の二次障害が多い。
当センターには小児に関する様々な診療科が存在するが、最も関連が深いのは小児科である。実際、身体症状を呈する精神疾患は少なくないし、特に最近ではASDをベースにした身体表現性障害が目立っている。これらのケースでは、最初に小児科を受診してから当科を紹介されることがしばしばあり、当科の介入が奏効するケースも稀ではない。また、当科の患者に身体疾患がみられたときなどは、小児科に大変お世話になっている。
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