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■NEWS 22年度改定に向けた検討結果を取りまとめ、基本小委に報告へ―入院分科会

登録日: 2021-10-27

最終更新日: 2021-10-27

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診療報酬調査専門組織である入院医療等の調査・評価分科会は10月21日、次期診療報酬改定に向けた検討結果のとりまとめ案を大筋で了承した。分科会長預かりで文言修正した後、中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会に報告する。入院医療に関する踏み込んだ議論は、今後、中医協総会で行われることになる。

最終とりまとめについて、分科会で争点となったポイントをみると、「急性期一般入院基本料」などの「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の評価項目では、A項目の「心電図モニターの管理」と「点滴同時3本以上の管理」に関し、評価項目としての妥当性を検討するよう求める意見が出ている。

■「急性期一般入院料1」は治療室の有無と急性期医療の実績に相関

急性期入院医療の評価では、「急性期一般入院料1」を算定する施設の8割超が特定集中治療室をはじめとする何らかの治療室の届出をしており、届出のある施設は、届出のない施設に比べ、年間手術件数や化学療法、分娩などの実施件数が多いことが明らかになっている。ただ、地方では手術件数が少ない中小病院が急性期医療を担うなど、医療提供の実態は地域によって様々であることから、分科会では、「急性期一般入院料1」は実績に応じた評価にするべきではないかとの意見もあった。「救命救急入院料1、3」の看護必要度の測定にハイケアユニット用の評価票を用いることや、B項目が特定集中治療室の評価指標として適切かどうかの検討も、論点となっている。

DPC/PDPSでは、医療資源投入量が少ない、または平均在院日数が短い、いわゆる外れ値に該当する施設について、退出ルールを設定すべきかどうかが課題の1つ。分科会では、該当施設がわずかであることから許容し得る、数は少なくても制度設計に反映できるような特徴を洗い出して検討を深める―という両方の考え方があるとの意見が出ている。リハビリテーション目的で、他院から転院してきた患者を一時的にDPC病棟で受け入れている事例があることも問題提起された。

■地域包括ケアは特定の役割しか担っていない病棟の扱いが論点

地域包括ケア病棟では、自宅等からの入棟がまったくない、あるいは自宅等からの入棟しかないなど、本来求められている3つの役割(ポストアキュート、サブアキュート、在宅療養支援)の一部しか担っていない病棟の扱いが論点となっている。分科会では、こうした病棟を他の場合と区別するなど、機能の差を踏まえた評価を検討してはどうかとの声も出ている。「回復期リハビリテーション病棟入院料」は、▶新規届出施設向けの入院料5、6を長期間算定し続けているケースへの対応、入院患者要件への「心大血管疾患リハビリテーション」の追加の是非―についての検討が求められている。

「療養病棟入院基本料」では、看護職員配置25対1以上の経過措置適用病棟について、短い入院期間でリハビリテーションを他の病棟より多く実施しているなど、本来の役割とは違う使い方をしているケースがあることが明らかになり、対応を検討する必要性が指摘されている。

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