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■NEWS 日医・松本会長、骨太方針2025を評価「物価・賃金対応分を別枠で加算と理解」

登録日: 2025-06-20

最終更新日: 2025-06-20

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日本医師会の松本吉郎会長は6月18日の記者会見で、13日に閣議決定された「骨太の方針2025」についてコメント、「与党内で日医の要望を踏まえた議論が行われ、社会保障関係費に関する記載が修正された」と内容を高く評価した。

松本会長が重要なポイントとしたのは、社会保障費の予算編成に関して「高齢化による増加分に相当する伸びに経済・物価動向等(=2025年春季労使交渉における力強い賃上げの実現や昨今の物価上昇による影響等)を踏まえた対応に相当する増加分を加算する」と明記された点。

松本会長は「日医が求めてきた賃金・物価の上昇に応じた公定価格等への適切な反映が明記されたものであり、『高齢化とは別枠で物価・賃金対応分を加算する』という意味だと理解している。6月6日に示された原案から劇的な前進となった」と述べた。

■「平均賃上げ率5.26%」念頭に置いた診療報酬改定を期待

さらに、2025年春季労使交渉での賃上げに注釈が追加され、「平均賃上げ率5.26%」などの数字が明記されたことも「大きな進歩」とし、「この数字は次期診療報酬改定において念頭に置かれるもの」との認識を示した。

松本会長は、2026年度診療報酬改定の改定率が決まる年末の予算編成に向けて「(物価・賃金対応分を)しっかりと『真水』の形で診療報酬に乗せていただくことを中心に活動していきたい」と意気込みを示した。

「6日の原案から劇的な前進」と評価する松本会長

■「OTC類似薬」保険外しの影響を強く懸念

骨太方針2025には自民・公明・維新の3党合意(6月11日)の内容も盛り込まれたが、松本会長はこのうち「OTC類似薬の保険給付の見直し」を強く懸念。

「OTC類似薬の定義自体が曖昧だが、その多くは医療の根幹をなす基礎的な医薬品。保険適用から除外すると、院内での処置等に用いる薬剤、在宅医療における薬剤の使用に影響することが大変懸念される。これは絶対に避けなければならない」と強調した。

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