中央社会保険医療協議会総会は1月14日、2022年度診療報酬改定に関する「議論の整理」を了承した。外来医療では機能分化と連携を推進するため、医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う「紹介受診重点医療機関(以下、重点医療機関)」について、一般病床200床以上の場合を受診時定額負担の義務化対象に追加することや、入院医療に対する評価の新設などを盛り込んだ。かかりつけ医機能の評価では、「地域包括診療加算」等の対象疾患拡大や、「機能強化加算」の要件見直しを実施するとした。
議論の整理は、これまで総会で取り上げられた項目を文字通り整理して記載したもの。各側の意見が一致していない項目もあり、今後の検討次第で削除されたり、変更されたりする可能性がある。
具体的内容をみると、外来医療では外来機能報告や重点医療機関の創設といった制度改正への対応を行う。紹介状がない患者の外来受診では、一般病床200床以上の重点医療機関を定額負担徴収の義務化対象施設に追加するとともに、保険給付範囲と定額負担額等を見直す。重点医療機関は紹介外来への特化による入院医療の強化と質向上が見込まれることから、入院医療に対する評価を新設するとしたが、支払側は反対姿勢を示している。
かかりつけ医機能の評価では、「地域包括診療加算」と「地域包括診療料」の対象疾患に慢性腎臓病と心不全を追加。さらに、昨今の成人に対する予防接種の増加を考慮し、要件に予防接種に関する相談への対応を加える。「機能強化加算」は診療実態を踏まえた要件の見直しを行う。24時間の往診と連絡体制の構築が要件の「継続診療加算」は、在宅療養支援診療所(在支診)以外の診療所の在宅医療への参画を促す観点から、名称と評価のあり方を見直す。
在宅医療では、在支診と在宅療養支援病院の要件に、地域支援事業等への参加と、人生の最終段階における適切な意思決定支援に関する指針の作成を追加する。通院患者の在宅へのスムーズな移行が可能となるよう、外来医療を担う医師と在宅医療を担う医師が、患家において共同して必要な指導を行なった場合の評価を新設する方針も打ち出した。