医薬品医療機器総合機構(PMDA)は3月1日、2022年2月付で新規作成・改定された「重篤副作用疾患別対応マニュアル」をホームページに掲載した。
新たに作成されたマニュアルは「リチウム中毒」「薬剤性せん妄」「ベンゾジアゼピン受容体作動薬の治療薬依存」「免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象対策マニュアル」の4つ。改定は18の副作用で行われ、「急性肺損傷・急性呼吸窮迫症候群(急性呼吸促迫症候群)」と「肺水腫」は「急性呼吸窮迫症候群(急性呼吸促迫症候群)・肺水腫」に統合、「急性好酸球性肺炎」は「薬剤性好酸球性肺炎」に名称変更された。
「免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象対策マニュアル」は、免疫関連有害事象(irAE)が呼吸器症状、消化器症状、皮膚症状、甲状腺機能異常、副腎皮質機能異常、糖尿病、肝機能異常、神経症状など多岐にわたるため、包括的な理解を深める観点から作られた。
「ベンゾジアゼピン受容体作動薬の治療薬依存」では、依存形成を防ぐには「使用する期間をできるだけ短期にとどめることが望ましい」とし、医療関係者に「適切な診断、出口を見据えた治療介入」を求めている。
改定されたマニュアルのうち「薬剤性味覚障害」では、「血清亜鉛値は69μg/dL以下を低値とする」としていた亜鉛欠乏性味覚障害の診断の記載が「80μg/dL未満を低値とする」に変更。低亜鉛血症がある場合、味蕾の再生促進を期待して亜鉛剤(酢酸亜鉛水和物)を補給すると明記された。
重篤副作用疾患別対応マニュアルは、厚労省が2005年度から開始した「重篤副作用総合対策事業」の一環として作成。マニュアルは順次PMDAホームページで公開されている。
【関連情報】
重篤副作用疾患別対応マニュアル(医療関係者向け)(PMDAホームページ)
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