前回の本連載(119)(本誌2月5日号)で、私は医療関係者の中に多い、財務省が新自由主義的医療改革(医療分野への市場原理導入)を推進しているとする理解は不正確であり、現在の財務省はそれを目指していない反面、厚生労働省に比べるとはるかに厳しい(公的)医療費の抑制を目指していると、エビデンスに基づいて述べました。
私は、医療政策の分析と将来予測は、常に事実(歴史的事実を含む)に基づく「複眼的」な視点で行っています。それにより、特に将来予測では、過度に楽観的な予測や悲観的な予測に陥らず、精度の高い予測が可能になります。今回は、私がこのような視点を身に付けたプロセスを紹介します。