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重症児の呼吸管理(戸谷 剛)[プラタナス]

No.5110 (2022年04月02日発行) P.3

戸谷 剛 (子ども在宅クリニック あおぞら診療所墨田院長)

登録日: 2022-04-02

最終更新日: 2022-03-31

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  • 小児の呼吸管理は、成人と比して肺に問題があるのではなく、上下気道の閉塞/軟化・誤嚥・排痰に問題があるケースが多い。このため、気道確保と誤嚥の緩和が在宅療養では重要となる。気道抵抗は気道面積の二乗に反比例するため、成人と比して狭い鼻道は、軽微な粘膜浮腫や炎症・分泌・アデノイド/扁桃腺肥大、また経鼻胃管の挿入等で容易に気道抵抗が増加し、鼻呼吸が維持しづらくなる。苦しくて口を開けると、喉頭に近接する舌根が沈下、ハンドリングが低下し誤嚥を誘発、気道が閉塞し呼吸困難を引き起こす。

    いわば、「呼吸の健康は鼻がいのち」なのである。エアウェイは選択肢だが気道過敏と分泌増多を誘発、誤嚥が悪化することも多い。非侵襲性陽圧人工呼吸療法(NIPPV)は陽圧換気により鼻呼吸を容易にするだけでなく、声門下圧の確保と嚥下に必要な「息ごらえ」を容易にし、誤嚥を緩和する。経管栄養児を含む摂食困難児は 8 割が慢性誤嚥の状態で、その多くが無症候性である1)。障害児は知覚しづらい舌咽神経領域の上気道分泌物(唾液・鼻汁)のハンドリングが鍵となる。

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