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【リハ×プライマリ・ケア】在宅診療とリハ─在宅でもできるリハ/在宅だからこそできるリハ[プライマリ・ケアの理論と実践(140)]

No.5114 (2022年04月30日発行) P.10

望月 亮 (袋井市立聖隷袋井市民病院リハビリテーション科主任医長・在宅支援室長)

登録日: 2022-04-28

最終更新日: 2022-04-27

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SUMMARY
在宅症例では,課題特異度の高い個別訓練を提供できる訪問リハは有用なリハサービスである。終末期症例であってもリハの意義は大きく,積極的にリハ的介入を試みるべきである。

KEYWORD
課題特異的訓練
目的とする動作を行う条件(場所,自立/介助,道具の有無など)を具体的に限定し,その条件をできるだけ再現して繰り返し訓練を行うこと。汎用性は低いが,最も効率的に動作獲得・定着が期待できる。

望月 亮(袋井市立聖隷袋井市民病院リハビリテーション科主任医長・在宅支援室長)

PROFILE
福島県で家庭医療,在宅医療を学び,現在静岡県の150床病院のリハ医・病院家庭医。日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医・指導医,日本在宅医療連合学会認定専門医,日本リハビリテーション医学会認定臨床医,医学博士。

POLICY・座右の銘
足るを知り,常にフラットに

1 在宅リハの特徴

在宅医療の現場では,ICF(international classification of functioning,disability and health,国際生活機能分類)でいう「心身機能」の改善が見込めず,認知機能障害を伴い,単純な機能訓練の反復が困難で,かつ運動学習能力が低下したケースが少なくない。また,入院リハビリテーション(以下,リハ)と比べ,在宅では関われるリハ専門職が限られ,それらが関わる頻度や時間も大きく制限される。このような診療セッティングでは,リハの目的をできるだけ絞り,明確にする必要がある。「機能維持目的」という名目で,漠然と続けているだけではリハの結果は望めない。

在宅リハでのキーポイントは,①栄養,②環境調整,③課題特異的な訓練,である。新たな急性期イベントやフレイルの進行を抑制するためにも,まずは着目するべき点が栄養である。在宅医療を必要とする虚弱患者では低栄養リスクが高いが,他の心身機能障害に比べ比較的介入しやすく,維持や改善が見込める。

また,手すりやスロープの設置といった住宅改修,歩行器といったデバイスを使った代償法は重要なリハ介入の手段であり,即時効果が得られることも多い。

そして,課題特異的な訓練を反復することが重要である。認知機能障害(運動学習障害)を持つ患者にとって,環境や動作手順が少し異なるだけで,まったく違うスポーツを覚えることと同じような困難が生じる。たとえば,手すりの配置や便器の向きが異なる施設のトイレと自宅のそれでは,「排泄」という同じ動作をするにも,野球とサッカーと同等の違いがあると言っても過言ではない。排泄場所が同じでも,ウエストを紐で結ぶタイプの下衣とゴムタイプのそれといった違いでも同様のことが言える。目標とする動作を,どの環境で,どんな条件で行うのか具体的に定め,その課題に特異的な訓練を反復練習することが最も効率的なリハと言える。







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