株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

息切れ,動悸を主訴に救急外来を受診した46歳男性[キーフレーズで読み解く 外来診断学(327)]

No.5276 (2025年06月07日発行) P.1

監修: 生坂政臣 (医療法人生坂医院)

田村弘樹 (東千葉メディカルセンター総合診療科,千葉大学医学部附属病院総合診療科)

上原孝紀 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

横川大樹 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

小島淳平 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

登録日: 2025-06-04

最終更新日: 2025-06-03

  • このエントリーをはてなブックマークに追加



3週間前に咳が出現。1週間前から歩行時の動悸と息切れを認め,発作性夜間呼吸困難を伴うようになった。来院前夜に発熱を認め,安静にしていても動悸と息切れが出現するようになったため,深夜に救急車で来院した。軟便を認めるが,体重減少や手指振戦は認めない。

既往歴は43歳で右気胸手術。内服薬はない。喫煙は12歳から30本/日,飲酒は焼酎1.5L/日。

身体診察では,意識清明,体温38.0℃,脈拍数182回/分,血圧144/82mmHg,呼吸数32回/分,SpO2 98%(鼻カニューレ2L)。頭頸部に明らかな異常を認めず,心雑音はない。両肺野全体にwheezeを聴取する。両下腿に圧痕性浮腫を認める。

一般血液・生化学検査の異常値はAST 37U/L,LD 267U/L,ALP 159U/L,CRP 1.76mg/dL,NT-proBNP 4031.7(基準値上限54.5)pg/mL。インフルエンザとSARS-CoV-2の抗原検査は陰性。12誘導心電図と胸部X線写真を示す(図1,2)。


研修医の診断:感染症罹患で増悪した心不全

指導医の診断は?

書籍「外来診療のUncommon Disease vol.4」

プレミアム会員向けコンテンツです(連載の第1~3回と最新回のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top