厚生労働省は4月27日、2020年の「医療施設(静態・動態)調査(確定数)・病院報告の概況」を公表した。それによると病院、一般診療所の医療施設数と病床数はともに前年から減少。病院の1日平均外来患者数は前年比で約1割の大幅な減少となった。
医療施設(静態・動態)調査の結果をみると、20年10月1日時点の医療施設数・病床数は、▶病院:8238施設、150万7526床(前年比62施設減、2万1689床減)、▶一般診療所:10万2612施設、8万6046床(4施設減、4779床減)―などとなった。病院病床数のうち、一般病床は88万7920床(73床増)、療養病床は28万9114床(1万9330床減)、精神病床は32万4481床(2185床減)。一般診療所の病床有無別の内訳は、有床6303施設(341施設減)、無床9万6309施設(337施設増)で、診療所の無床化の進行が改めて浮き彫りになった。
小児科医療や周産期医療の状況をみると、小児科の標榜施設は一般病院が2523施設(前年比16施設減)、一般診療所が1万8798施設(17年調査との比較で849施設減)。産婦人科または産科の標榜施設は一般病院が1291施設(前年比9施設減)、一般診療所が3143施設(17年比184施設減)で、いずれも減少傾向が続いている。また常勤換算従事者数のうち、病院における人口10万対常勤換算医師数は全国平均で192.7人だった。都道府県別でみて最も多いのは高知県の316.9人、最も少ないのは埼玉県の137.8人で、およそ2.3倍の開きがある。
一方、病院報告によると、20年中における全国の病院の1日平均在院患者数は116万5389人(前年比6万8755人、5.6%減)、1日平均外来患者数は119万3205人(13万1624人、9.9%減)。特に外来患者は前年比で約1割減と大きく落ち込んだ。病院の病床利用率は前年比3.5ポイント減の77.0%で、病床種類別の内訳は、一般病床71.3%(前年比5.2ポイント減)、療養病床85.7%(1.6ポイント減)、介護療養病床88.1%(2.6ポイント減)、精神病床84.8%(1.1ポイント減)など。病院全体の平均在院日数は28.3日(1.0日増)、うち一般病床は16.5日(0.5日増)、療養病床は135.5日(0.4日減)、介護療養病床は287.7日(13.7日減)、精神病床は277.0日(11.2日増)―などとなっている。