日本医師会の中川俊男会長は、政府内でかかりつけ医機能の明確化などが検討されている状況を踏まえ、かかりつけ医に関する日医の考え方「国民の信頼に応えるかかりつけ医として」をまとめ、4月27日の記者会見で発表した。
「国民の信頼に応えるかかりつけ医として」では、①「かかりつけ医」は患者が医師を表現する言葉、②患者ごとに「かかりつけ医」は異なり、患者に最もふさわしい医師を数値化して測定することはできない、③患者に信頼された医師が「かかりつけ医」になる─と強調。
かかりつけ医の務めとして「地域の医師たちとの対話を深め、患者をチームとして支える」「地域包括ケアシステムの中で求められる役割を果たす」「医療のデジタル化を進める」などを示した上で、日医は国民に「かかりつけ医」を持ってもらうための判断材料を提供していくとしている。
中川会長はこの文書を4月20日付で全国の会員に手紙を添えて送付。岸田文雄首相にも4月22日に文書を直接手渡し説明している。会見で中川会長は「今回の取りまとめは、かかりつけ医機能を果たしていく医師の覚悟を示したもの」と述べた。
かかりつけ医を巡っては、財務省が制度化に強い意欲を示しており、4月13日の財政審分科会で、かかりつけ医機能の要件を法制上明確化し、かかりつけ医の認定制度の導入や利用希望者による事前登録・医療情報登録を促す仕組みの導入を段階的に検討すべきと提案している。日医の文書は、こうした制度化の動きを牽制したものとみられる。
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