厚生労働省の「地域医療構想に関するワーキンググループ(WG)」は9月23日、同省が示した意見整理案について概ね了承した。
WGの主な検討課題は、全国統一の計算式で算定する医療計画における基準病床数と地域医療構想に盛り込まれる2025年の病床の必要量(必要病床数)の関係性の整理。都市部など病床過剰地域で必要病床数が将来、既存病床数を大きく上回ると見込まれる場合について、医療法の特例措置として基準病床数を毎年見直す方針を固めた。その上で病床の整備に際し、①機能区分、②高齢者人口のピークアウト後を含む医療需要の推移、③疾病別の医療供給の状況、各医療圏の患者流出入などの地域事情、④都道府県内の各医療圏の医療機関の分布─の4点に配慮して検討する必要があるとした。
一方、一般病床の基準病床数の算定に当たり医療資源投入量が少ない患者をどう取り扱うかという論点については、現在厚労省が対象患者像の分析を進めている段階であることを踏まえ、親会議の「医療計画の見直し等に関する検討会」で引き続き議論することになった。医療資源投入量の取り扱いを巡っては、中川俊男構成員(日本医師会)や邉見公雄構成員(全国自治体病院協議会)がかねて患者像や医療の内容との相関性を疑問視するなど、基準病床数の算定に医療資源投入量を勘案することに反対していた。