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4、5月は講義月間─学生に紹介する2つの言葉 [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(45)]

No.4749 (2015年05月02日発行) P.75

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-20

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  • 4月と5月は私にとっての講義月間である。担当する病理学総論は60分×3コマを16回、通しでこなしている。一生懸命やったところで学生が喜ぶかというと逆だったりするので、なんとも言えないところはあるけれど、まぁ、それはしゃあない。

    本論の間に挟み込む、最近あった話とか、本や映画の紹介とかの雑談が結構多い。「雑談くらいのおもしろさで病理学の説明もしてください」と無理を言う子がいると思えば、まれには「雑談が多すぎる」とクレームをつける子もいる。

    学生時代の講義内容など、ほとんど覚えてはいない。しかし、数えるほどではあるけれど、医学と関係のないことで、あの先生がこんなこと言うたはったなぁ、と印象に残っていることがあったりする。

    そんなことを思い出しながら、「勉強ばっかりしていては、ろくな医師になれない」という確固たる信念の下、いろいろな話をしているのである。しかし、とりあえずは勉強してもらわねば、お話にならない。

    「専門のことであろうが、専門外のことであろうが、要するにものごとを自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため。たったそれだけのことです。そのために勉強するのです」

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