サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループは10月14日、再生医療の研究開発や製造プロセスにおける課題解決に向けたサービスを提供する施設「再生医療クリエイティブ・エクスペリエンス・ラボ Thermo Fisher Scientific Creative Experience Lab(以下、T-CEL)」を東京・港区の本社内に開設した。同社の持つ細胞医療や遺伝子治療分野の研究開発・生産に必要な機器などを展示、再生医療に携わる研究者・技術者に最先端の顧客体験を提供することで、日本国内における再生医療市場の活性化を目指す。
再生医療分野においては、高い品質管理が求められる特性からラボ構築の手間や難易度が高く、また多品種少量生産により製造コストが高止まりする傾向にある。シーズ段階の研究者だけでなく、治験や製造段階でのプロセス開発を担う人材も不足しているなど、実用化への課題は山積している。
T-CELは「ラボエリア」「ラボデザインエリア」「シングルユース製品紹介エリア」「受託製造(CDMO)サービス紹介エリア」で構成。①細胞医療や遺伝子治療の開発を加速する製品や技術に触れることができるトータルソリューション体験、②ラボの立ち上げから受託製造までをサポート、③製品技術に関するセミナーやハンズオントレーニング―などのサービスによって、有望なシーズやパイプラインの実用化に向けた課題に対するソリューションを提供する。
同社の室田博夫代表は13日に開いた内見会で、T-CEL の狙いについて「昨今世界における日本の地位低下が指摘されているが、T-CELで提供するソリューションを通じて、再生医療市場における日本の競争力を高め、優位性を確立することにわずかでも貢献していきたい」と述べた。