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■NEWS 中間年改定は実施の是非も含め慎重に検討を―薬価専門部会で関係業界

No.5141 (2022年11月05日発行) P.70

登録日: 2022-10-28

最終更新日: 2022-10-28

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中央社会保険医療協議会薬価専門部会は10月26日、2023年度の薬価の中間改定について関係業界から意見を聴取した。業界側は昨今の物価高騰や円安の進行で低薬価医薬品や後発医薬品を中心に原価率が上昇している現状を示し、23年度の中間年改定については実施の是非を含めて慎重に検討するべきだと主張した。

日本製薬団体連合会は、物価上昇や円安の影響で医薬品の調達コストは大幅に増加しているものの、医薬品・医療機器等法や薬価制度などの規制を受ける医薬品は、製造過程の効率化や価格へのコスト転嫁ができないと説明。現在の状況は薬価を引き下げる環境にはなく、むしろオイルショック時(1973年)の対応を参考に薬価の緊急引き上げを実施するべきだと訴えた。

日本ジェネリック製薬協会は、原材料価格とエネルギー価格の高騰や円安による原薬の輸入価格上昇で、製造原価が薬価の80%を超える品目が後発医薬品全体の3割以上に達する現状を憂慮。その中には安定確保医薬品や基礎的医薬品も含まれるため、中間年改定を行う場合には、安定確保医薬品や不採算品再算定品目などを改定対象から除外するよう要望した。

■製薬協、欧米製薬団体は特許期間中の新薬の薬価維持を要望

日本製薬工業協会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会は、▶18年度から5年連続の薬価改定などで日本の医薬品市場が縮小、新薬創出等加算のルール厳格化で特許期間中の新薬の薬価が必ずしも維持されなくなった―ことなどを背景に、グローバル企業の日本への投資優先度が低下したと説明。このままではドラッグラグの問題が再燃しかねないとし、その回避のためにも特許期間中の新薬を中間年改定の対象から外すことを求めた。

質疑では業界側の主張に理解を示す委員もいたが、診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は特許期間中の新薬の扱いについて、「臨床的価値が高い新薬には新薬創出等加算が整えられており、そのルールについては次期薬価制度改革時に改めて議論するべきだ」と改定対象からの除外を求める業界の主張を退けた。日本の投資優先度が下がったとの説明には支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)が、原因は薬価制度だけではなく薬事承認や研究環境などの課題もあるのではないかと疑問を呈した。

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