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■NEWS 基準を満たす地域医療支援病院は重点医療機関の標榜を原則化―医療計画検討会

No.5146 (2022年12月10日発行) P.68

登録日: 2022-11-30

最終更新日: 2022-11-30

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厚生労働省の「第8次医療計画等に関する検討会」は1124日、次期医療計画における地域医療支援病院の取扱いについての事務局案を大筋で了承した。都道府県知事が追加した責務を医療計画の策定に合わせて見直すことや、紹介受診重点医療機関(重点医療機関)の基準を満たす地域医療支援病院には原則、重点医療機関も標榜することなどを新たに求める。

地域医療支援病院が地域で真に必要とされている役割を担えるよう、20213月の医療法施行規則(省令)の改正で都道府県知事は地域の実情に応じて地域医療支援病院の責務を追加できるようになった。省令改正後に実際に追加された責務は、新興・再興感染症や災害発生時の対応、情報通信技術を用いた病診連携、看護職員養成への関与など、医療計画の記載内容と関わりが深いものが多い。

そこで今回、厚労省は省令改正で追加された責務については、医療計画の策定・見直し時に、計画との整合が図られるように責務の見直しも行い、公表することを医療計画作成指針に記載することを提案した。

一方、重点医療機関の基準は、外来に占める紹介受診重点外来(医療資源を重点的に活用する入院前後の外来、特定の領域に特化した機能を有する外来など)の割合が、「初診で40%以上、かつ再診で25%以上」であることが求められ、厚労省の試算では地域医療支援病院では82%、特定機能病院では81%がこの基準を満たすことが明らかになっている。

そこで同省は地域医療支援病院と特定機能病院について、▶重点医療機関の基準を満たす病院は地域における協議の場での協議を踏まえ、原則、重点医療機関についても標榜することを「外来機能報告等に関するガイドライン」に記載する、▶重点医療機関の基準を満たさない病院は地域医療支援病院として地域で担っている機能を地域の協議の場などで確認する―ことを部会に提案した。

■地域医療支援病院と重点医療機関の機能の明確化が必要との意見相次ぐ

いずれの案も了承されたが、地域医療支援病院と重点医療機関の機能は重複する部分も多く、国民から見て違いがわかりにくいと複数の構成員が問題視。両者の機能の違いの明確化や、紹介率・逆紹介率の考え方の整理について、改めて検討の機会を設ける必要があるとの意見が相次いだ。

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